海外派遣届出の実務|様式第13号と契約書面【2026年版】
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海外派遣届出の実務|様式第13号と契約書面【2026年版】

2026年9月2日19分で読める

派遣元が労働者を海外へ派遣するときは、案件の該当性と派遣先が講ずべき措置を確認し、様式第13号と必要書面をあらかじめ提出します。海外という就業場所だけを見て処理せず、誰が指揮命令するか、どの契約に基づくか、業務がどこで行われるかを確認します。該当する案件では、契約書面、届出書、添付する写し、提出記録を同じ案件へ結び付けます。

本記事は労働者派遣法上の海外派遣届出に限定し、海外出張、出向、外国人雇用の制度全般には広げません。最新の様式と記載要領は作成時に確認し、境界事例は所轄の労働局へ照会してください。

海外派遣届出の定義と書類早見表

海外派遣の該当性から契約書面と様式第13号までを示す早見表
海外派遣の該当性から契約書面と様式第13号までを示す早見表

派遣法上の海外派遣とは

労働者派遣法第23条第4項は、派遣労働者を同法の施行地外の地域に所在する事業所その他の施設で就業させるための労働者派遣を「海外派遣」と定めています。派遣元が海外派遣をしようとするときは、厚生労働省令に従って、あらかじめ厚生労働大臣へ届け出なければなりません。

判断の起点は、海外への移動の有無だけではなく、派遣元が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令の下で海外の施設に就業させる実態があるかです。3日間の訪問なら必ず海外出張、6か月なら必ず海外派遣という一律の期間基準にはせず、契約と業務実態を案件ごとに確認します。

様式第13号と添付書面の早見表

労働者派遣法施行規則第18条は、海外派遣届出書である様式第13号に、同規則第23条による書面の写しを添えて提出すると定めています。その書面は、海外派遣に係る労働者派遣契約で、派遣先が講ずべき措置として定めた事項を記載し、派遣先へ交付等をするものです。

案件区分確認事項契約条項様式添付書面提出時点控え
海外派遣指揮命令関係・契約・業務実態・就業場所海外派遣で派遣先が講ずべき措置様式第13号規則第23条による書面の写し海外派遣前にあらかじめ提出版・受付情報
海外出張の可能性がある案件期間だけで決めず、指揮命令関係と業務実態を確認海外派遣に該当するとき固有措置を反映該当性に応じて要否を確認該当時に書面写しを用意該当時はあらかじめ判定根拠・確認者
出向の可能性がある案件雇用関係・指揮命令関係・契約実態を確認出向契約との区分を確認海外派遣該当性に応じて要否を確認該当時に書面写しを用意該当時はあらかじめ判定根拠・確認者

この早見表は、該当性、契約措置、様式第13号、添付写し、提出控えをつなぐ独自編集フレームです。届出書以外の添付資料を独自に増やすのではなく、最新の様式と提出案内で求められる書類を確認します。

契約に定める海外派遣固有の措置

海外派遣契約で派遣先が講ずべき措置と書面化を整理する図
海外派遣契約で派遣先が講ずべき措置と書面化を整理する図

派遣先が講ずべき措置の確認

法第26条第2項は、海外派遣契約の締結に際し、派遣先責任者の選任、派遣先管理台帳の作成・記載・通知、その他派遣就業を適正に行うため必要な措置を派遣先が講ずべき旨を定めるよう派遣元へ求めています。国内案件の契約をそのまま複製せず、海外派遣固有の定めが入った版を確定します。

規則第23条に従い、その定めを書面へ記載して海外の派遣先へ交付等を行います。労働者派遣契約書の電子化で扱う契約版管理と対応させ、確定日、交付先、交付日を残してください。派遣先管理台帳の一般的な作成実務とは区別し、海外派遣契約で講ずべき旨を定めた事実を確認します。

海外出張・出向との境界確認

海外出張か海外派遣かを区別するときは、労働者への指揮命令者、契約当事者、業務の依頼経路、実際の就業場所を並べます。出向の可能性がある場合は、雇用関係や人事上の権限も確認し、契約名称だけで派遣ではないと結論づけません。航空券の期間や滞在日数は事実の一部ですが、それだけで法的区分を確定しないことが重要です。

例えば、海外施設の担当者が毎日の作業順序を指示する案件と、国内雇用主の担当者が業務を指示して海外会議へ参加する案件では、確認すべき関係が異なります。この例だけで結論を一般化せず、契約と実態が食い違う場合や判断が難しい場合は、計画段階で所轄の労働局へ確認します。

海外派遣を届け出る3ステップ

海外派遣の該当性確認から契約措置と届出保存までの3ステップ
海外派遣の該当性確認から契約措置と届出保存までの3ステップ

ステップ1 海外派遣に該当する案件か確認する

案件を受けたら、派遣元、派遣先、就業施設、就業国・地域、業務内容、指揮命令者、予定期間を記録します。海外出張や出向という社内呼称をそのまま採用せず、派遣法上の労働者派遣に当たる実態があるかを確認します。判定中は契約版と届出作成を確定させません。

確認結果は「海外派遣該当」「非該当」「要照会」の3区分などで管理し、根拠と確認日を併記します。要照会の案件では契約図、指揮命令経路、就業場所を1枚に整理すると、所轄の労働局へ具体的に相談できます。システムによる自動判定には置き換えません。

ステップ2 契約に海外派遣固有の措置を定める

海外派遣に該当すると判断したら、法第26条第1項の契約事項に加え、第2項の派遣先措置を契約へ定めます。派遣先責任者、派遣先管理台帳と通知、その他必要な措置について、誰が何を行うかを契約当事者間で確認します。確定前の案と署名・合意後の版を区別してください。

契約第1版で派遣先責任者が未確定なら、届出準備を完了扱いにせず、確定した第2版と交付記録を待ちます。派遣元管理台帳は派遣開始後を含む管理記録であり、海外派遣固有の契約書面や届出の代わりにはなりません。それぞれの記録目的を分けます。

ステップ3 様式第13号と書面写しを提出・保存する

契約措置を記載した書面が確定したら、最新の様式第13号を作成し、その書面の写しを添えます。提出前に、派遣元情報、対象案件、派遣先、海外の就業場所、契約版と添付版の対応を再確認します。海外派遣を始める前に提出し、提出日、提出者、受付情報、控えを案件へ保存します。

届出の提出時点について、法律は海外派遣をしようとするとき「あらかじめ」と定めており、本記事では一律の日数へ置き換えません。海外派遣の開始予定より前に提出を終えられるよう、様式確認、契約書面確定、社内確認、提出、補正対応の順で十分な時間を確保します。利用する提出方法と作成時点の提出案内は必ず確認してください。

差し戻しや補正があれば、最初の提出記録を削除せず、補正した様式版と再提出日を追加します。開始予定が変わった場合も届出書との対応を再点検し、担当者の記憶だけで完了扱いにしません。

ファイル保管と案件単位管理を比較する

海外派遣の契約と届出を別々に保管する方法と案件管理の比較
海外派遣の契約と届出を別々に保管する方法と案件管理の比較

届出・契約・添付書面が分かれる問題

契約を契約フォルダ、様式第13号を届出フォルダ、添付写しをメールに分けると、提出時に採用した契約版を特定しにくくなります。契約変更後も古い写しが届出記録へ残れば、案件担当者は内容の差異を見落とします。控えに提出日があっても、対象者や開始予定との関連がなければ再確認に時間がかかります。

比較項目ファイル別の保管案件単位の関連管理
該当性メールに残る判定根拠を案件へ記録
契約措置契約を開いて確認契約版を指定
様式第13号届出フォルダに保存提出版を案件へ関連付け
添付写し複製元が不明契約版との対応を保持
提出記録控えだけを保存提出日・担当者・受付情報を登録
変更差し替え旧版と新版を保持

比較の目的はファイルを一つにまとめることではなく、書類間の関係を復元できるようにすることです。労働者派遣事業報告書は定期的な事業報告の実務であり、海外派遣をする際にあらかじめ行う届出とは別の手続として管理します。

派遣HUBの案件・契約版・提出記録へ対応させる方法

派遣HUBでは、案件に派遣先、就業場所、契約、スタッフを関連付け、契約の版とステータスを管理できます。カスタム項目で海外派遣の判定、照会状態、様式版、提出日、受付情報を持たせ、契約書面、添付写し、提出控えを同じ案件から参照します。監査ログにより、変更した担当者と時点も追跡できます。

海外の相手方へ共有する情報は案件に必要な範囲へ限定し、アクセス権と共有先を確認します。個人データの取得・利用・提供は派遣の個人情報・マイナンバー管理へ分け、届出記録があることだけで個人情報の取扱いを適切と判断しません。

よくある質問

海外派遣の提出時点と様式第13号と海外出張との区別に関する質問
海外派遣の提出時点と様式第13号と海外出張との区別に関する質問

海外派遣の届出はいつ提出しますか?

労働者派遣法第23条第4項により、派遣元は海外派遣をしようとするとき、あらかじめ厚生労働大臣へ届け出ます。

海外派遣の届出では何を提出しますか?

様式第13号に、海外派遣で派遣先が講ずべき措置を定めた書面の写しを添えて提出します。作成時は最新の様式と記載要領を確認してください。

海外派遣と海外出張はどう区別しますか?

一律の期間だけでは判定せず、指揮命令関係、契約、業務実態、就業場所を案件ごとに確認します。区別が難しい場合は所轄の労働局へ確認します。

まとめ

海外派遣を予定する派遣元は、指揮命令関係、契約、業務実態、海外の就業場所から該当性を確認します。該当する案件では、海外派遣固有の派遣先措置を契約書面へ定め、様式第13号にその書面の写しを添えて、海外派遣をする前に提出します。提出時は最新様式と記載要領を確認してください。

案件判定、契約版、届出書、添付写し、提出控えを案件IDで関連付けると、変更後も提出時点の書類チェーンを追えます。一般の契約、管理台帳、事業報告、個人情報管理とは記録目的を分け、境界が不明な案件は所轄の労働局へ確認しましょう。

出典: e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(第23条第4項、第26条第2項)、同法施行規則(第18条、第23条)。


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