労働者派遣契約書を電子化する完全ガイド|2021年法改正と派遣特化3点同時電子交付【2026年版】
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労働者派遣契約書を電子化する完全ガイド|2021年法改正と派遣特化3点同時電子交付【2026年版】

派遣HUB編集部(派遣管理SaaS実務チーム)
2026年3月15日19分で読める

「派遣契約書って電子化できるの?」——2021年1月施行の厚生労働省令第170号により、労働者派遣契約書の電子化が解禁されました。本記事は、派遣契約電子化の法的根拠と、派遣業務特有の「3点同時電子交付(個別派遣契約書・就業条件明示書・労働条件通知書)」の重要性、汎用電子契約SaaSと派遣管理SaaSの違い、そして中小派遣会社が段階的に電子化を進めるロードマップまでを実務目線で整理します。

結論:2021年改正で電子化可能になった3書類

派遣契約の電子化が解禁されてから、電子化できる書類は以下の3点が中心です。先に整理します。

#書類派遣法上の根拠交付相手
1個別派遣契約書派遣法第26条派遣元 ⇄ 派遣先
2就業条件明示書派遣法第34条派遣元 → 派遣スタッフ
3労働条件通知書労働基準法第15条派遣元 → 派遣スタッフ

派遣HUBは、3点同時電子交付・送付記録一元管理・電子帳簿保存法対応を標準機能として提供します。汎用電子契約SaaSと派遣管理SaaSの違いは「派遣特化」の運用設計にあります。

派遣契約書の電子化とは(2021年1月施行の改正経緯)

2020年10月9日、厚生労働省は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(厚生労働省令第170号)」を公布しました。施行日は2021年1月1日です。

この改正により、従来「書面に記載」と定められていた労働者派遣契約の事項を、電磁的記録によって作成することが認められるようになりました。同時に、e-文書省令(厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令)も改正されています。

派遣契約の電子化は、紙ベースの押印・郵送・控え保管という3つの工程をデジタル化することで、契約締結のリードタイム短縮と運用コスト削減を同時に実現します。

派遣特化の「3点同時電子交付」とは

派遣特化 3点同時電子交付(個別派遣契約書・就業条件明示書・労働条件通知書)
派遣特化 3点同時電子交付(個別派遣契約書・就業条件明示書・労働条件通知書)

派遣業務の特殊性は、1つの派遣案件で「契約書」「就業条件」「労働条件」の3書類を派遣元・派遣先・派遣スタッフの3者間で同時にやり取りする点にあります。汎用電子契約SaaSでは2者間契約を前提とした設計が多く、派遣業務に必要な3点同時交付に対応していないケースが目立ちます。

個別派遣契約書(派遣法第26条)

派遣元と派遣先の二者間で締結する契約書です。派遣法第26条で必須記載事項が定められており、業務内容・派遣期間・組織単位・派遣料金・抵触日など、改正後は責任の程度や協定対象派遣労働者の別なども含めて20項目近くを記載する必要があります。

就業条件明示書(派遣法第34条)

派遣元から派遣スタッフへ交付する書面です。派遣先での就業条件(業務内容・就業場所・始業終業時刻・派遣期間・組織単位・抵触日等)を派遣スタッフ本人に明示する義務があり、これは個別派遣契約書の内容と一致させる必要があります。

労働条件通知書(労働基準法第15条)

派遣元から派遣スタッフへ交付する書面で、労働基準法に基づく労働条件の明示義務に対応します。派遣業務の場合、派遣先の就業条件明示書と内容が連動するため、これも同時に交付するのが実務上の流れです。

3つの書類は内容が連動しているため、別々のシステムで管理すると整合性チェックが手作業になります。派遣特化のSaaSでは、1つの基礎データから3書類を同時生成・同時交付・同時記録できる設計が選定の決め手になります。

派遣法26条の必須記載事項チェックリスト

個別派遣契約書(派遣法第26条)の必須記載事項は、2020年改正で2項目(責任の程度/協定対象派遣労働者の別)が追加されました。汎用電子契約SaaSのテンプレートでは追加項目に未対応のケースもあるため、運用前に必ず確認します。

記載事項内容
業務内容派遣スタッフが従事する業務
責任の程度役職・権限の範囲(2020年改正で追加)
就業場所・組織単位派遣先事業所・所属する組織単位
派遣指揮命令者派遣先での指揮命令者
派遣期間派遣開始日・終了日
就業日・就業時間始業終業時刻・休憩時間
安全衛生に関する事項
苦情処理に関する事項
派遣契約解除時の措置
派遣スタッフの紛争解決の措置
派遣料金
派遣スタッフ数
紹介予定派遣に関する事項該当時のみ
協定対象派遣労働者に限る否か2020年改正で追加
期間制限の対象とならない業務該当時のみ
派遣元・派遣先責任者
法令違反時の措置

→ 抵触日と組織単位の関係は「派遣の3年ルール・抵触日を手作業で管理するリスクと自動化の方法【2026年版】」をご覧ください。

電子契約SaaSと派遣管理SaaSの違い

電子契約サービスは複数の選択肢があります。派遣業務での選定は「汎用」と「派遣特化」を見極めることが重要です。

項目汎用電子契約SaaS派遣管理SaaS(派遣HUB等)
対応書類2者間契約全般派遣業務の3点同時交付
派遣法26条テンプレート自前で作成が必要標準実装
派遣スタッフへの就業条件明示別運用1操作で同時交付
抵触日・組織単位の自動連携不可派遣管理データと自動連携
法定帳簿との連動不可派遣元管理台帳と自動同期
月額目安¥10,000〜¥30,000/月¥2,980/名〜(派遣HUB)

汎用電子契約SaaSも電子化自体は実現できますが、派遣業務の3点同時交付・派遣法26条テンプレート・抵触日連携・法定帳簿連動を考えると、派遣管理SaaSがトータルで効率的になります。

→ 法定帳簿との連動については「派遣元管理台帳の書き方と保管ルール【2026年版】」をご覧ください。

中小派遣会社の段階的移行ロードマップ

中小派遣会社の段階的電子化ロードマップ(準備期・並行運用期・全面移行期)
中小派遣会社の段階的電子化ロードマップ(準備期・並行運用期・全面移行期)

中小派遣会社が一気に全契約を電子化するのは現実的でない場合があります。派遣スタッフ・派遣先双方のITリテラシーや既存運用との整合性を考慮し、段階的移行を推奨します。

フェーズ1:新規契約から電子化

既存の継続契約は紙のまま、新規契約から電子化を開始します。派遣スタッフへの就業条件明示書の電子交付は本人同意が必要なため、初回登録時に同意取得を運用化します。

フェーズ2:既存契約の更新タイミングで電子化

派遣契約更新タイミングで既存契約を電子化に切り替えます。派遣先企業側の対応状況に応じて、紙・電子の併用フェーズが半年〜1年続くケースもあります。

フェーズ3:完全電子化

すべての新規・更新契約が電子化され、紙運用がゼロになる状態です。送付記録・契約履歴がすべてクラウドに集約され、検索性と監査対応力が大幅に向上します。

電子化に同意しない派遣スタッフへは引き続き書面交付が必要です。派遣HUBは電子・紙の併用運用にも対応しています。

派遣HUBによる3点同時電子交付・送付記録一元管理

派遣HUBは、派遣業務特有の3点同時電子交付を以下の仕組みで実現します。

機能派遣HUBの実装
派遣スタッフ・派遣先マスタ基礎データを一元管理
派遣法26条テンプレート改正後の20項目に対応
3点同時電子交付個別派遣契約書・就業条件明示書・労働条件通知書を1操作で発行
電子署名・タイムスタンプ改ざん防止・証跡保全
送付記録の自動保存「いつ・誰に・どの版を交付したか」を監査ログに記録
電子帳簿保存法対応契約終了後7年間のクラウド保管
法定帳簿との連動派遣元管理台帳と自動同期
電子・紙併用派遣スタッフ単位で交付方法を選択可能

紙ベースで1件20〜30分かかっていた契約書発行作業が、1件5分以内に短縮されます。30名規模で月10件の新規契約が発生する派遣元では、月3〜5時間の作業時間が解放される計算になります。

よくある質問

派遣契約書はいつから電子化が可能になりましたか?

2021年1月1日施行の厚生労働省令第170号により、労働者派遣契約の電子化が認められるようになりました。

電子化できる派遣関連書類は何ですか?

個別派遣契約書、就業条件明示書、労働条件通知書の3点が主な対象です。派遣HUBではこの3点を同時電子交付できます。

電子契約SaaSで派遣契約書は完全に電子化できますか?

派遣法26条の必須記載事項を満たすテンプレート設計と、3書類の同時交付・送付記録管理は派遣管理SaaSが得意な領域です。電子契約SaaSは汎用であるため、派遣特化の運用には派遣管理SaaSが適しています。

電子化後も派遣スタッフから書面を求められた場合はどうしますか?

派遣法では電子化に同意しないスタッフへは書面交付が必要です。派遣HUBは電子・紙の併用運用に対応しています。

電子化した契約書の保管期間は何年ですか?

電子帳簿保存法に基づき、契約終了後7年間の保管が必要です。クラウドでの保管は派遣HUBが標準対応しています。

まとめ:紙の負担をゼロに、コンプラを確実に

派遣契約電子化は、2021年1月の改正で法的に認められた選択肢でありながら、中小派遣会社では「導入のハードルが高い」と感じる経営者がまだ多いのが現状です。しかし、派遣業務特有の3点同時交付・派遣法26条テンプレート・抵触日連携・法定帳簿連動を1システムで実現すれば、紙ベース運用と比べて契約締結リードタイムが大幅に短縮され、送付記録の証跡保全も自動化されます。

電子化は「効率化のため」だけでなく「コンプライアンスを確実にするため」の選択肢です。段階的移行ロードマップで現実的に進められる派遣特化SaaSを選び、紙の負担をゼロにしていきましょう。

出典:厚生労働省令第170号(2020年10月9日公布、2021年1月1日施行)、e-Gov「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第26条・第34条、労働基準法第15条


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