労働者派遣事業報告書の書き方と提出期限|様式・記載項目【2026年版】
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労働者派遣事業報告書の書き方と提出期限|様式・記載項目【2026年版】

2026年6月30日22分で読める

毎年6月が近づくと「労働者派遣事業報告書の様式はどれが最新か」「記載項目をどのデータから集計すればいいのか」と頭を抱える管理担当者は少なくありません。派遣実績がゼロの事業年度でも提出義務があり、未提出や虚偽報告は罰金や許可取消の対象になる、コンプライアンス上の重要書類だからです。

この記事では、労働者派遣事業報告書(様式第11号)の提出義務と期限、記載項目とその集計元データ、そして毎年の手集計の負担を仕組み化で減らす方法を、一次ソースに基づいて整理します。報告書づくりが「6月の突貫作業」になっている会社ほど、日常のデータ一元化が効いてきます。

結論:労働者派遣事業報告書は毎年6月30日が期限の法定報告書

労働者派遣事業報告書は、労働者派遣法第23条に基づき、派遣元事業主が事業所ごとの運営状況を国へ報告する法定書類です(出典: 労働者派遣法第23条、e-Gov法令検索)。中心となる様式第11号は「6月1日現在の状況」を集計し、提出期限は毎年6月30日と定められています(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」、大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」)。

まず押さえるべき要点を早見表で示します。

項目内容
根拠法令労働者派遣法第23条(出典: e-Gov法令検索)
主な様式様式第11号(労働者派遣事業報告書)
基準日毎年6月1日現在の状況
提出期限毎年6月30日(土日にあたる場合は翌開庁日)
提出先事業主管轄労働局を経て厚生労働大臣
実績ゼロの場合派遣実績がなくても提出義務あり
未提出・虚偽罰金・許可取消の対象となりうる
労働者派遣事業報告書の提出義務・基準日・提出期限を整理した早見表
労働者派遣事業報告書の提出義務・基準日・提出期限を整理した早見表

なお現行様式は令和6年6月報告分から改定されており、旧様式での提出は受理されません(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」)。提出前に必ず最新様式をダウンロードして確認してください。

事業報告書とは|3つの報告書と提出義務・期限

労働者派遣事業報告書は1枚の書類ではなく、複数の報告書の総称として使われることがあります。何を・いつまでに出すのかを正確に区別することが、コンプライアンスの出発点です。

3種類の報告書と提出期限・基準日の関係を示した図解
3種類の報告書と提出期限・基準日の関係を示した図解

提出が必要な3種類の報告書

派遣元事業主が作成・提出する報告書は、主に次の3種類です(出典: 大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」)。

報告書主な様式提出時期の目安
労働者派遣事業報告書様式第11号6月1日現在の状況を毎年6月30日まで
労働者派遣事業収支決算書様式第12号毎事業年度経過後3か月以内
関係派遣先派遣割合報告書様式第11号の2毎事業年度経過後3か月以内

「事業報告書」と一般に呼ばれるときは様式第11号を指すことが多いですが、収支決算書と関係派遣先派遣割合報告書は事業年度ベースで期限が異なります(出典: 大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」、労働者派遣法第23条)。自社の決算月によって提出月が変わる点に注意してください。

実績ゼロでも提出義務がある

派遣の許可を受けている事業主は、その事業年度に派遣実績が無くても報告書の提出義務があります(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」、大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」)。「今年は派遣がなかったから出さなくていい」という誤解は、提出漏れの典型的な原因です。

未提出・虚偽報告のリスク

報告書が未提出、または虚偽の報告をした場合、労働者派遣法に基づき罰金が科されるおそれがあり、悪質な場合は派遣事業許可の取消対象にもなりえます(出典: 労働者派遣法、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)。条文番号は最新の一次ソースで確認のうえ運用してください。年1回の定例業務だからこそ、担当者の異動や繁忙で抜け落ちないよう、社内で期限管理を仕組み化しておく価値があります。

記載項目と集計元データ|どのデータから埋めるか

報告書づくりが大変なのは、記載項目が多いからというより「項目ごとに集計元のデータがバラバラ」だからです。様式第11号は複数面にわたり、許可情報・派遣実績・料金・賃金・教育訓練・キャリアアップ措置などを記載します(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」)。

様式第11号の主な記載面と内容の対応を示した一覧図
様式第11号の主な記載面と内容の対応を示した一覧図

様式第11号のおおまかな構成

令和6年改定後の様式は、おおむね次のような構成になっています(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」、三重労働局「事業報告記載説明資料」)。

主な記載内容
第1面産業分類・許可番号などの基本情報
第2面派遣労働者数・売上高などの実績
第3〜4面派遣料金・派遣労働者の賃金
第6面キャリアアップ措置の実施状況
第7〜8面6月1日現在の派遣労働者の実人数

面ごとに「どこから数字を持ってくるか」が決まっていないと、毎年ゼロから集計し直すことになります。

記載項目×集計元データの対応表(自社事例)

ここで、派遣HUBを使う中小派遣会社の実務担当者が日常データから報告書をどう埋めているか、項目と集計元の対応を整理した社内事例を示します(出典: 派遣HUB運用ヒアリング、2026-06時点の運用例)。

報告書の記載項目主な集計元データ日常の管理場所
派遣労働者の実人数雇用契約・就業実績派遣元管理台帳
派遣料金(平均額)派遣先別の請求データ契約・請求管理
派遣労働者の賃金給与計算結果給与データ
マージンに関する数値料金と賃金の差額請求・給与の突合
教育訓練の実施状況受講記録教育訓練台帳
雇用安定措置の状況個別対応の記録スタッフ管理

この対応表が示すのは、報告書の項目はすべて「日常業務で発生しているデータ」から成り立っているという因果です。逆に言えば、台帳・契約・給与がそれぞれ別のExcelに分散していると、6月に横串で集計するだけで膨大な手作業が発生します。派遣元管理台帳の整備については、派遣元管理台帳の書き方と保管ルール|記載必須18項目と自動化の進め方もあわせて参照してください。

マージン率の公開とは別物として管理する

報告書に記載する料金・賃金データは、毎年6月のマージン率公開(情報提供義務)とも密接に関係します。マージン率の公開自体は別の義務ですが、集計元データは共通です。公開作業の負荷を下げる方法は、派遣会社のマージン率公開を自動化する方法|2021年義務化と運用負荷の削減で詳しく解説しています。報告書とマージン率公開を「別々の集計作業」にしないことが、6月の負担を一気に軽くする鍵です。

手集計の負担を減らす仕組み化|データ一元化が効く

報告書作成のつらさの正体は、書類そのものより「分散したデータをかき集める前段階」にあります。ここを仕組みで解消すると、6月の作業は集計ではなく確認だけになります。

分散データの手集計と一元データからの自動集計を比較した図解
分散データの手集計と一元データからの自動集計を比較した図解

二重入力をなくして集計元データを一元化する

派遣HUBは、履歴書OCR・求人取込・給与勤怠CSVの取込で入力データを自動でデータ化し、契約・勤怠・給与・請求を一つのデータ基盤に集約します。一元データだと二重入力がなくなり、報告書に必要な人数・料金・賃金の数値が同じ場所から取り出せます。Excelの転記ミスや、台帳と請求データの不一致といった集計事故も起きにくくなります。

脱Excelの全体像は中小派遣会社が派遣管理を脱Excel化する完全ガイドで詳しく扱っています。

年1回の定例業務こそチェックリスト化する

報告書は毎年6月にしか触らないため、手順が属人化しやすい業務です。次のようなチェックリストを用意しておくと、担当者が変わっても迷いません。

  1. 最新様式(令和6年改定版)をダウンロードしたか
  2. 基準日(6月1日現在)の派遣労働者数を確定したか
  3. 料金・賃金データの期間を様式の指定に合わせたか
  4. 実績ゼロでも提出する前提で準備したか
  5. 提出期限(6月30日)と提出先(管轄労働局)を確認したか
年1回の報告書作成を属人化させないためのチェックリスト図
年1回の報告書作成を属人化させないためのチェックリスト図

コンプライアンスの土台を日常業務に埋め込む

報告書・帳簿・契約といった派遣業法コンプラの土台は、本来「年に一度がんばる」ものではなく、日常のデータ運用の延長で満たせるものです。派遣HUBは契約・台帳・給与・請求を一元管理し、法令対応の集計元データが常に揃った状態を保ちます。許可の要件管理とあわせて考えるなら、労働者派遣事業の許可要件と更新手続き|資産要件・派遣元責任者も確認しておくと、年間のコンプラ対応の見通しが立てやすくなります。

よくある質問

労働者派遣事業報告書の提出期限はいつですか?

様式第11号(労働者派遣事業報告書)は、6月1日現在の状況を集計し、毎年6月30日までに提出します(出典: 大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」)。6月30日が土日にあたる年は翌開庁日が期限です。提出先は事業主管轄労働局を経て厚生労働大臣です。

派遣実績がない年でも提出は必要ですか?

必要です。派遣の許可を受けている事業主は、その事業年度に派遣実績が無くても報告書を提出する義務があります(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)。「実績ゼロだから不要」という誤解は提出漏れの典型例で、未提出は罰則の対象になりえます。

様式第11号と様式第11号の2は何が違いますか?

様式第11号は労働者派遣事業報告書(6月1日現在の状況報告)、様式第11号の2は関係派遣先派遣割合報告書です(出典: 大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」)。後者は毎事業年度経過後3か月以内の提出で、決算月によって時期が変わる点に注意が必要です。

旧様式で提出してもよいですか?

いいえ。現行様式は令和6年6月報告分から改定されており、旧様式での提出は受理されません(出典: 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」)。提出前に必ず厚生労働省サイトから最新様式をダウンロードして確認してください。

報告書作成の手間を減らすには何から始めればよいですか?

集計元データ(台帳・契約・料金・賃金)を一元管理することから始めます。データが一カ所に揃っていれば、報告書の人数・料金・賃金は同じ場所から取り出せ、6月の作業は集計ではなく確認だけで済みます。脱Excelの進め方は関連記事を参照してください。

まとめ:報告書は「6月の突貫」から「日常データの抽出」へ

労働者派遣事業報告書は、労働者派遣法第23条に基づく毎年6月期限の法定報告書で、様式第11号を中心に派遣実績・料金・賃金・教育訓練などを記載します。実績ゼロでも提出義務があり、未提出や旧様式での提出はリスクになります。

報告書づくりが大変なのは、記載項目が多いからではなく、集計元データが分散しているからです。台帳・契約・給与・請求を一元管理すれば、報告書の数値は日常データから抽出するだけになり、6月の負担は確認作業へと変わります。年1回の定例業務こそ、仕組み化の効果が最も大きい領域です。

出典: 労働者派遣法第23条、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式」、大阪労働局「労働者派遣事業報告書について」、三重労働局「事業報告記載説明資料」、e-Gov法令検索


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