
派遣の雇入れ時安全衛生教育|派遣元・派遣先の分担【2026年版】
派遣元は雇入れ時教育と作業内容変更時教育の義務を担い、派遣先にも適用される作業内容変更時教育と危険・有害業務の特別教育を切り分けて実施記録を連携します。教育名だけを一覧にしても、安衛法第59条のどの項に基づき、どちらが実施したかは確認できません。業務内容、教育の契機、実施主体、実施内容をスタッフと案件へ関連付けることが重要です。
管理対象は、雇入れ時、作業内容変更時、危険・有害業務の特別教育という3区分です。派遣事業の教育訓練・キャリア形成支援や健康診断とは目的を分け、教育項目の省略と記録要件は最新の法令・公的資料で確認します。
派遣の安全衛生教育と分担早見表

雇入れ時・作業変更時・特別教育の区分
労働安全衛生法第59条第1項は、事業者が労働者を雇い入れたとき、その業務に関する安全または衛生のための教育を行うよう定めています。第2項は作業内容を変更したときに第1項を準用し、第3項は省令で定める危険・有害業務に就かせるときの特別教育を定めています。3つの契機を一つの「入場教育」で代用したと決めつけません。
派遣労働者では、派遣法第45条の適用特例を併せて主体を確認します。雇入れ時教育は雇用主である派遣元、第2項の作業内容変更時教育は派遣元に加えて派遣先、第3項の特別教育は派遣先に適用されます。教育を依頼する担当者と法令上の適用主体を分けて記録してください。
派遣元・派遣先の実施主体早見表
区分表では、法第59条の項、教育の契機、派遣元・派遣先への適用、実施記録を横に並べます。作業内容が変わった事実や危険・有害業務への該当性を案件名だけで判断せず、現場の具体的な作業を確認します。
| 教育区分 | 安衛法59条 | トリガー | 派遣元への適用 | 派遣先への適用 | 実施記録 |
|---|---|---|---|---|---|
| 雇入れ時教育 | 第1項 | 派遣元が労働者を雇い入れる | 適用 | 第1項の主体としては扱わない | 実施日・内容・実施者 |
| 作業内容変更時教育 | 第2項 | 労働者の作業内容を変更する | 適用 | 適用 | 変更内容・実施日・内容 |
| 特別教育 | 第3項 | 省令で定める危険・有害業務に就かせる | 派遣先実施の確認 | 適用 | 対象業務・実施内容・証跡 |
この表は、条項と教育の契機と実施主体を対応させる独自編集フレームです。派遣元が実施記録を回収する工程は双方の実施状況を確認する運用であり、必要な記録項目や様式は教育の種類に応じて最新の法令・公的案内で確認します。
業務内容から必要な教育を特定する

派遣元が雇入れ時に確認する教育項目
派遣元は雇入れ時に、スタッフが従事する予定の業務を案件と契約から確認します。労働安全衛生規則第35条は、機械・原材料等の危険性、保護具、作業手順、作業開始時の点検、疾病の原因と予防、整理・整頓・清潔、事故時の応急措置・退避、その他必要事項という8つの区分を掲げています。実際の業務に必要な事項を選び、遅滞なく教育します。
派遣先から業務情報を受け取っても、雇入れ時教育の実施主体が派遣先へ移るわけではありません。派遣元は、予定業務、使用設備、作業環境を確認して教育内容を確定します。派遣就業後の現場教育と重なる項目があっても、どの主体がどの契機で実施したかを分けて記録します。
作業内容変更時教育と特別教育の適用主体
作業内容変更時教育は派遣元に加えて派遣先にも適用されるため、変更を最初に把握した側から相手方へ連絡する運用を決めます。例えば検品作業から機械の段取り作業へ変える仮想例では、職種名が同じでも実作業、設備、危険・有害要因を再確認します。変更日より前に必要な確認と教育を終える工程を設定してください。
危険・有害業務に関する特別教育は派遣先に適用されます。派遣元は案件受注時に対象業務を確認し、派遣先が教育を実施したことを示す日付、内容、実施者、確認資料を回収する運用にします。対象業務の該当性や教育内容は、最新の法令・公的資料と所轄の労働基準監督署で確認します。
教育を割り当てて記録する3ステップ

ステップ1 業務内容から必要な教育を洗い出す
最初に、案件の業務内容、就業場所、使用設備、材料、作業手順、危険・有害要因、予定する変更を記録します。職種名だけで教育を選ばず、派遣先窓口と指揮命令者へ実際の作業を確認します。未確定の作業は「確認中」として、教育完了扱いにしません。
教育候補には、雇入れ時、作業内容変更時、特別教育の3区分を付け、第59条のどの項に対応するかを記録します。派遣スタッフの安全衛生管理で扱う連絡体制と接続し、新しい作業が追加されたときに再確認できるようにします。健康診断の要否は派遣スタッフの健康診断へ分けます。
ステップ2 派遣元・派遣先への適用と実施分担を確認する
次に、教育区分ごとに派遣元・派遣先への適用を確認します。雇入れ時教育は派遣元、作業内容変更時教育は双方、特別教育は派遣先という基準を置き、実施担当、予定日、内容、確認方法を決めます。双方に適用される場合も、一方の実施だけで自動的に他方の確認が終わるとは扱いません。
派遣先が行う教育は、派遣先窓口と実施者を決め、派遣元へ返す記録項目を事前に合意します。派遣先管理台帳の就業場所・組織単位と照合し、別拠点の教育記録を流用しないようにします。判断が難しい場合は、作業内容を整理して所轄の労働基準監督署へ確認してください。
ステップ3 実施記録を回収してスタッフ台帳へ紐付ける
実施後は、教育区分、実施日、内容、実施主体、実施者、対象スタッフ、対象案件、確認資料を記録します。派遣先から受けた記録と派遣元の記録をスタッフID・案件IDへ関連付け、どの作業版に対応する教育かを示します。内容変更があれば、旧記録を上書きせず新しい実施記録を追加します。
教育記録の保存年限・様式は推測せず、教育の種類に応じた最新の法令・公的案内と社内規程で確認します。派遣元管理台帳へ必要事項を反映する場合も、教育記録そのものと台帳の目的を分けます。派遣の労働者死傷病報告とも記録を混同しません。
表計算とスタッフ単位管理を比較する

教育一覧だけでは実施主体が抜ける問題
教育名と受講日だけの表計算では、第59条のどの項か、業務変更の内容、派遣元・派遣先のどちらが実施したかを確認できません。「安全教育済み」という1列だけでは、雇入れ時教育と特別教育を取り違えるおそれがあります。派遣先が別ファイルで持つ記録もスタッフへ結び付きません。
| 比較項目 | 教育名・受講日の一覧 | スタッフ単位の分担管理 |
|---|---|---|
| 教育区分 | 名称だけ | 第59条の項と契機を記録 |
| 業務 | 職種だけ | 作業・設備・危険要因を関連付け |
| 主体 | 担当者が記憶 | 派遣元・派遣先を区分 |
| 実施内容 | 備考欄 | 内容・実施者・確認資料を保持 |
| 変更 | 行を上書き | 変更前後の作業版を保持 |
| 確認 | 表を個別検索 | スタッフと案件から参照 |
スタッフ単位の管理は、教育の法的要否を自動判定するものではありません。派遣の教育訓練・キャリア形成支援の計画・実績とも目的を分け、安全衛生教育の条項、契機、実施主体を確認するために使います。
派遣HUBのスタッフ・案件・教育記録へ対応させる方法
派遣HUBでは、スタッフ、派遣先案件、契約を関連付け、教育訓練・キャリア形成支援の記録を管理できます。安全衛生教育についてはカスタム項目で教育区分、条項、作業版、実施主体、実施日、内容、実施者、確認資料の保存先を持たせる管理例を作れます。監査ログで更新した担当者と時点も追跡できます。
派遣先から受ける記録は、対象スタッフと案件を確認してから関連付けます。システムが省略要件や特別教育の該当性を法的に確定するとは説明せず、担当者が最新の根拠を確認した結果を残します。未実施・確認中・完了など3つの状態を使えば、派遣開始前の未確認を見分けやすくなります。
よくある質問

派遣スタッフの雇入れ時教育は誰が行いますか?
雇用主である派遣元が安衛法第59条第1項の雇入れ時教育を行います。同条第2項の作業内容変更時教育は派遣元に加えて派遣先にも適用され、同条第3項の危険・有害業務に関する特別教育は派遣先に適用されます。
雇入れ時教育の項目を省略できますか?
最新の労働安全衛生規則第35条に沿って確認し、労働者が十分な知識・技能を持つなど法令上の要件を満たす項目だけを判断します。古い業種別の省略情報をそのまま使いません。
安全衛生教育ではどの記録を残しますか?
教育区分、実施日、内容、実施主体、実施者、対象スタッフ、確認資料を必要な範囲で記録し、派遣元がスタッフと案件へ紐付けて確認できる状態にします。
まとめ
雇入れ時教育は派遣元、作業内容変更時教育は派遣元と派遣先、危険・有害業務の特別教育は派遣先という適用関係を、安衛法第59条と派遣法第45条から確認します。教育名だけで処理せず、業務、契機、実施主体、実施内容をスタッフと案件へ関連付けます。省略の可否は規則第35条の要件に沿って項目ごとに判断してください。
派遣先が実施する教育は、日付、内容、実施者、確認資料を派遣元へ連携する運用を整えます。記録期間を推測で固定せず、最新の公的案内を確認し、変更時は新旧の作業版と教育記録を残しましょう。
出典: e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(第59条)、「労働安全衛生規則」(第35条)、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(第45条)。
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