抵触日通知書の受領実務|未通知時の契約判断【2026年版】
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抵触日通知書の受領実務|未通知時の契約判断【2026年版】

2026年9月1日19分で読める

派遣元は労働者派遣契約の締結前に派遣先から抵触日通知を受領し、通知がない案件は契約締結を止めて内容を確認します。通知書というファイルの有無だけで判断せず、通知主体、対象事業所、抵触する最初の日、期間制限の例外を案件と照合することが必要です。受領後の変更も契約版へ結び付け、いつの情報で契約したかを追える状態にします。

本記事は、新たな労働者派遣契約を締結する前の受領・検証・契約判断に範囲を限定します。派遣可能期間の一般論や延長時の意見聴取とは手続を分け、派遣元の確認ゲートとして整理します。

抵触日通知書の定義と受領早見表

抵触日通知の主体と時点と確認項目を整理する受領早見表
抵触日通知の主体と時点と確認項目を整理する受領早見表

契約締結前の通知とは

労働者派遣法第26条第4項は、期間制限の例外に該当する派遣を除き、新たな契約に基づく派遣を受けようとする者が、契約締結に当たり、あらかじめ派遣元へ抵触することとなる最初の日を通知すると定めています。通知の対象は、派遣開始日以後に派遣を受けようとする事業所その他派遣就業の場所の業務です。

同条第5項により、この通知がないとき、派遣元は対象業務に係る労働者派遣契約を締結できません。「契約作成後に回収する」「就業開始までに届けばよい」という順序にはせず、契約締結前の必須ゲートにします。第26条第4項自体は固定の帳票様式を示していないため、書面名ではなく通知内容と受領事実を確認してください。

派遣元が確認する通知項目の早見表

受領時は、通知主体が派遣先であること、受領日が契約締結前であること、対象事業所と抵触日が案件に対応することを確認します。組織単位は第26条第4項の通知対象そのものと同一視せず、契約上の配置先や個人単位の期間制限を取り違えないための照合項目として扱います。

確認項目通知・案件で見る内容不一致時の処理
通知主体契約相手となる派遣先正しい主体へ再確認
受領時点契約締結より前か契約処理を停止
事業所名称・所在地・就業場所案件の拠点と照合
組織単位契約上の配置先部門名や指揮命令系統を確認
抵触日期間制限に抵触する最初の日日付の根拠を照会
例外第40条の2第1項各号への該当性対象者・業務・期間を確認
契約可否受領済み・検証済みか未受領・未確認なら締結しない
更新記録受領版・変更日・確認者旧版を残して更新

この早見表は、通知項目と派遣HUBの管理項目を対応させる独自編集フレームです。法令上の通知事項と社内の照合項目を区別しながら、契約判断までを一つの記録にします。

通知内容と期間制限の例外を検証する

抵触日通知の事業所と組織単位と例外を分けて検証する図
抵触日通知の事業所と組織単位と例外を分けて検証する図

事業所・組織単位・日付の確認

事業所は会社名だけで照合せず、名称、所在地、実際の就業場所を案件と比べます。同じ派遣先に東京支店と大阪支店の2拠点がある例では、別拠点の通知を流用せず、契約対象となる就業場所を確定します。移転や拠点統合があれば、旧名称との対応関係も派遣先へ確認します。

組織単位は、課やグループの呼称だけでなく、業務配分について直接の権限を持つ者を踏まえて契約情報と照合します。通知された抵触日は「派遣を開始する日」や「契約終了日」ではなく、期間制限に抵触することとなる最初の日です。2026年9月15日に通知を受け、9月20日に契約予定、10月1日に派遣開始という例なら、少なくとも受領日が契約予定日より前かを日付で検証できます。

期間制限の例外と意見聴取の切り分け

第40条の2第1項は、無期雇用派遣労働者に係る派遣、一定の者に係る派遣、一定期間内に完了予定の業務、産前産後・育児休業等の代替業務、介護休業等の代替業務などを例外として掲げています。案件名だけで例外とせず、対象者、業務、予定期間など具体的事実を確認し、根拠を記録します。

派遣先が事業所単位の派遣可能期間を延長する際の意見聴取は、契約締結前の通知受領とは別の手続です。延長の手順や周知は派遣の抵触日・意見聴取へ委ね、本記事では受け取った通知を検証して契約できるかという派遣元の判断に絞ります。派遣3年ルールの自動管理も参照し、例外や個人単位の期間制限を一つの日付だけで処理しないでください。

抵触日通知を受領・反映する3ステップ

抵触日通知の受領から検証と契約版更新までの3ステップ
抵触日通知の受領から検証と契約版更新までの3ステップ

ステップ1 派遣先から通知書を受領する

派遣先窓口へ、対象案件、就業場所、契約締結予定日を示し、抵触日通知を依頼します。受領したらファイルだけを保存せず、受領日、通知者、受領者、対象事業所、通知された日付を案件へ登録します。通知方法の適否は最新の公的資料で確認し、誰からいつ何を受領したかを保持します。

例として、契約予定日の5日前に通知を受けたなら、契約担当者がその日付と対象拠点を確認できる状態へ変更します。ただし「5日前」は法定期限を示す例ではなく、判断基準は契約締結より前に受領していることです。未受領ならステータスを「通知待ち」とし、契約締結へ進めません。

ステップ2 事業所・日付・例外を検証する

次に、通知と案件の派遣先、事業所、就業場所を照合し、抵触日が何を基礎に算出されたかを確認します。契約上の組織単位も並べ、事業所単位の日付と個人単位の管理を混同していないかを点検します。例外と説明された案件では、該当号と事実関係を派遣先へ確認します。

確認結果は「一致」「要照会」「例外確認済み」など3段階で管理すると、契約担当者が未処理を見分けやすくなります。日付の根拠が不明、事業所が異なる、例外該当性を判断できない場合は契約処理を止め、必要に応じて所轄の労働局へ確認します。システムだけで法的な該当性を自動判定しません。

ステップ3 契約可否と変更履歴を更新する

検証が終わったら、契約可否、確認日、確認者、照会結果を契約予定版へ反映します。労働者派遣契約書の電子化で扱う契約版と通知版を対応させ、どの通知に基づいて締結したかを追えるようにします。契約締結後に日付や事業所の変更連絡を受けた場合は、元の記録を消さず新版を作成します。

派遣先から第40条の2第7項による延長後の抵触日の通知を受けた場合、法第34条第2項に基づき、対象業務に従事する派遣労働者へ遅滞なくその抵触日を明示します。v1の通知、v2の変更通知、契約第2版というように版番号と適用日を対応させると、変更前後の説明を復元できます。契約可にした理由も短文で残してください。

書面保管と期限連動管理を比較する

抵触日通知書の単独保管と契約版へ連動する期限管理の比較
抵触日通知書の単独保管と契約版へ連動する期限管理の比較

通知書だけを共有フォルダへ置く問題

通知書を派遣先名のフォルダへ置くだけでは、どの事業所、案件、契約版に適用したかを一覧で確認できません。ファイル名が同じまま差し替えられると、契約締結時点の通知内容や変更者も分からなくなります。担当者が通知を受け取ったメールを見落とし、未確認の契約が進むおそれもあります。

比較項目通知書の単独保管期限連動管理
対象拠点ファイルを開いて確認派遣先窓口・事業所へ関連付け
組織単位別資料で確認案件・契約と照合
抵触日文面にだけ記載日付項目として保持
契約判断担当者が個別判断受領・検証を締結条件に設定
変更上書きの可能性旧版と新版を保持
参照メールやフォルダを検索契約版から通知履歴を参照

比較の要点は、書面をなくさないことに加え、契約判断と日付を結び付けることです。派遣先管理台帳派遣元管理台帳とは記録目的を分け、通知書を台帳の代替にはしません。

派遣HUBの窓口・組織単位・契約版へ対応させる方法

派遣HUBでは、派遣先の拠点ごとに窓口、事業所単位の抵触日、組織単位、責任者を登録し、案件と契約版へ関連付けられます。通知ファイル、受領日、検証状態、例外確認、契約可否をカスタム項目で持たせ、変更履歴を監査ログで追跡します。契約を作成する担当者は、対象契約に関連付けた記録から通知の受領・検証状態を確認できます。

この管理は、抵触日や例外該当性をシステムが法的に確定するものではありません。派遣先から受けた通知と派遣元の確認記録を関連付け、未通知案件を契約前に止めるための運用設計です。判断に迷う場合は、対象事業所、日付、契約内容を整理して所轄の労働局へ確認します。

よくある質問

抵触日通知の主体と未通知時の契約判断に関する質問
抵触日通知の主体と未通知時の契約判断に関する質問

抵触日は誰が誰へ通知しますか?

労働者派遣法第26条第4項により、派遣先が労働者派遣契約の締結前に、派遣可能期間に抵触することとなる最初の日を派遣元へ通知します。

通知がないまま労働者派遣契約を締結できますか?

できません。労働者派遣法第26条第5項により、派遣先から抵触日の通知がないとき、派遣元はその派遣先との労働者派遣契約を締結してはなりません。

延長の意見聴取はこの記事で扱いますか?

扱いません。派遣可能期間を延長する派遣先の意見聴取は既存の「派遣の抵触日・意見聴取」記事へ委譲し、本記事は派遣元による通知の受領・検証・契約判断に限定します。

まとめ

抵触日通知は、派遣先が新たな労働者派遣契約の締結前に派遣元へ行う通知です。派遣元は未通知の案件を締結せず、通知主体、事業所、抵触日、例外を検証します。組織単位は契約や個人単位の期間管理との照合に用い、事業所単位の通知と混同しないでください。

受領日、通知版、検証結果、契約可否を契約版へ関連付ければ、変更後も締結時点の根拠を追跡できます。意見聴取や各管理台帳とは役割を分け、判断が難しい案件は具体的事実を整理して所轄の労働局へ確認しましょう。

出典: e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(第26条第4項・第5項、第34条第2項、第40条の2)。


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