派遣の3年ルール・抵触日を手作業で管理するリスクと自動化の方法【2026年版】
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派遣の3年ルール・抵触日を手作業で管理するリスクと自動化の方法【2026年版】

派遣HUB編集部(派遣管理SaaS実務チーム)
2026年3月10日17分で読める

「派遣の3年ルールは知っているけれど、事業所単位と個人単位の違いまで正確に運用できているか自信がない」——中小派遣会社の管理部門で日常的に聞こえる声です。本記事は、派遣法第40条の2と第40条の3に基づく3年ルールの全体像と、抵触日を手作業で管理する際の典型的な落とし穴、そして自動通知ワークフローの設計までを派遣元実務の目線で整理しました。

結論:派遣の3年ルール早見表【事業所単位×個人単位】

派遣の3年ルールは「事業所単位」と「個人単位」の二重構造です。両方を満たさないと違反になります。先に全体像を整理します。

区分法的根拠制限内容延長可否
事業所単位派遣法第40条の2同一の派遣先事業所で派遣の受入が連続3年まで過半数労働組合等の意見聴取で延長可
個人単位派遣法第40条の3同一の派遣スタッフが同一の組織単位で3年まで原則不可(組織単位の変更等が必要)

派遣HUBは、抵触日の90日前・30日前・当日に派遣元責任者と派遣先責任者へ自動通知を行います。Excelで個別管理していた抵触日カレンダーは不要になります。

派遣の3年ルールとは(2015年法改正の経緯)

派遣の3年ルールは、2015年(平成27年)9月30日施行の改正派遣法により導入されました。それ以前は専門26業務などの業務区分による期間制限でしたが、改正後は業務に関わらず「事業所単位」「個人単位」の二重で3年制限が設けられました。

背景には「派遣の固定化を防ぎ、派遣スタッフの雇用安定を促す」という目的があります。同一の組織単位で3年を超えて派遣を続けることは原則として認められなくなりました。

派遣法第40条の2では事業所単位の派遣可能期間制限を、第40条の3では個人単位の派遣可能期間制限を、それぞれ定めています。両方を満たす運用が派遣元・派遣先双方に求められます。

「事業所単位の抵触日」と「個人単位の抵触日」の違い

派遣3年ルールの二重構造(事業所単位×個人単位)
派遣3年ルールの二重構造(事業所単位×個人単位)

事業所単位と個人単位の抵触日は、それぞれ起算日と判定対象が異なります。実務での混乱が最も多いポイントなので、丁寧に整理します。

事業所単位の抵触日

派遣先事業所での派遣受入開始日から3年後の翌日が、事業所単位の抵触日です。事業所内のすべての派遣スタッフを通算してカウントするわけではなく、「派遣受入の連続性」を見ます。3ヶ月超の空白期間(クーリング期間)が入ればリセットされます。

個人単位の抵触日

派遣スタッフが同一の派遣先事業所内の同一の組織単位で就業を開始した日から3年後の翌日が、個人単位の抵触日です。組織単位(課・グループ等)が変われば再カウント可能ですが、同一組織内では3年を超えて派遣できません。

二重判定が必要

派遣を継続するには「事業所単位の抵触日」と「個人単位の抵触日」のいずれも超えないことが必要です。事業所単位は意見聴取で延長できますが、個人単位は組織単位を変えるか派遣を終了する必要があります。

抵触日の計算方法と通知義務(90日前・30日前・当日)

抵触日の自動通知タイムライン(90日前・30日前・当日)
抵触日の自動通知タイムライン(90日前・30日前・当日)

抵触日に関する通知義務は、派遣元・派遣先双方に設定されています。実務で「いつ・誰が・誰に通知するか」を整理します。

通知タイミング通知方向内容
派遣契約締結前派遣先 → 派遣元事業所単位の抵触日を通知
派遣契約締結時派遣元 → 派遣スタッフ抵触日を明示
期間制限の延長時(事業所単位)派遣先 → 派遣元過半数労働組合等の意見聴取の結果を通知
抵触日の1ヶ月前まで派遣先過半数労働組合等への意見聴取
抵触日90日前・30日前・当日派遣元(実務運用)派遣元・派遣先責任者への内部通知(推奨運用)

90日前・30日前・当日の通知は法律で定められた義務ではなく、実務上の推奨運用ですが、抵触日を見落とさないために中小派遣会社こそ仕組みで担保すべきタイミングです。

Excelで3年ルールを管理する3つの落とし穴

Excelで抵触日カレンダーを管理する運用では、以下の3つの典型的な失敗が頻発します。

抵触日の見落とし

事業所単位と個人単位の2つの抵触日をすべての派遣スタッフ分カレンダーに入力する運用は、20名規模でも40件以上のセルを管理することになります。誰か1人でも90日前通知を見落とすと、抵触日超過のリスクが高まります。

クーリング期間の判定誤り

派遣終了後に3ヶ月超の空白を空けて再派遣する場合、クーリング期間として3年カウントがリセットされます。ただし派遣終了から3ヶ月以下で再派遣すると、空白期間も含めて連続派遣と扱われます。Excelで日数計算をすると、土日・祝日を含むかどうかの判定でミスが起こります。

責任者通知の漏れ

派遣元・派遣先双方の責任者に通知する運用をExcel+メールで回すと、責任者の異動や退職に追従できず、過去の担当者宛にメールを送り続ける状態になりがちです。証跡が残らないため、行政指導が入った時に「通知した」事実を証明できません。

派遣HUBではこれらの3つの落とし穴を解消するため、抵触日の自動算出・自動通知・通知履歴の自動記録を標準機能として提供しています。

→ 派遣管理全体の脱Excel化については「中小派遣会社が派遣管理を脱Excel化する完全ガイド【2026年版】」もご覧ください。

3年超対応4パターンの選び方

3年超対応4パターン(直接雇用化・派遣先変更・無期雇用化・派遣終了)
3年超対応4パターン(直接雇用化・派遣先変更・無期雇用化・派遣終了)

派遣スタッフが個人単位の抵触日を迎える際、派遣元・派遣先には主に4つの対応パターンがあります。スタッフ本人の希望と事業所側の事情を踏まえて選択します。

パターン概要スタッフの雇用形態
1. 無期雇用転換派遣元が派遣スタッフを無期雇用に転換し3年ルール対象外にする派遣元の無期雇用社員
2. 組織単位の変更派遣先内の別組織単位(別の課等)へ異動させる派遣スタッフのまま継続
3. 派遣先での直接雇用派遣先が派遣スタッフを直接雇用に切り替える派遣先の直接雇用社員
4. 派遣終了派遣契約を終了する派遣終了(別案件へ紹介等)

派遣元と派遣スタッフの間で雇用安定措置を講じる義務(派遣法第30条)があるため、4パターンの中から本人の希望を尊重しつつ選択します。法定帳簿の記載との連動も必要です(派遣元管理台帳の書き方と保管ルール【2026年版】)。

派遣HUBによる自動通知ワークフロー

派遣HUBは、抵触日に関する一連の業務を自動化します。以下は派遣HUBで実装している抵触日自動通知ワークフローの全体像です。

工程派遣HUBの動き
派遣スタッフ登録時派遣先・組織単位・派遣開始日から事業所単位・個人単位の抵触日を自動算出
抵触日90日前派遣元責任者と派遣先責任者に自動通知(メール+管理画面アラート)
抵触日30日前同上(再通知)
抵触日当日同上(最終通知)
クーリング期間入力時クーリング期間の妥当性を自動判定し、3年カウントのリセット可否を表示
通知履歴すべての通知を監査ログに自動記録し、3年保管

派遣業法コンプラ4領域のうち、抵触日管理は最も「ヒューマンエラーが致命傷になる」領域です。Excel+メールでの管理を続けるリスクと、SaaSによる自動化のメリットを比較するのに最適なポイントです。

よくある質問

派遣の3年ルールはなぜ存在するのですか?

2015年改正派遣法で、派遣の固定化を防ぎ、派遣スタッフの雇用安定を促す目的で導入されました。同一の組織単位で3年を超えて派遣することは原則できません。

「事業所単位」と「個人単位」の抵触日は何が違いますか?

事業所単位は派遣先事業所での連続受入が3年まで、個人単位は派遣スタッフ個人が同じ組織単位で就業できるのが3年までという制限です。両方を満たす必要があります。

クーリング期間とは何ですか?

派遣終了後3ヶ月超のクーリング期間を空けると、3年カウントがリセットされます。ただし脱法的な運用は厚生労働省の指導対象になります。

抵触日の通知はいつまでに行えばよいですか?

派遣先事業所単位の抵触日は、派遣契約締結前に派遣先から派遣元へ通知する義務があります。派遣元は契約締結時に派遣スタッフへ抵触日を明示する義務があります。

3年ルール違反のリスクは何ですか?

労働契約申込みみなし制度により、派遣先が派遣スタッフへ直接労働契約を申し込んだものとみなされます。意図せず直接雇用義務を負うことになります。

まとめ:手作業から自動化へ

派遣の3年ルールは、事業所単位と個人単位の二重構造で運用負荷の高いコンプライアンス領域です。Excel+メールでの管理は20名規模でも限界に近く、抵触日の見落としは労働契約申込みみなし制度の発動という重大なリスクに直結します。

中小派遣会社こそ、抵触日の自動算出・自動通知・通知履歴の自動記録を仕組みで担保すべきです。担当者が辞めても、月初に新人が配属されても、運用が止まらない事業基盤をいまから構築しましょう。

出典:e-Gov「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第40条の2・第40条の3、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」


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