派遣の事前面接・特定行為|派遣元の対応フロー【2026年版】
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派遣の事前面接・特定行為|派遣元の対応フロー【2026年版】

2026年8月31日20分で読める

派遣先による特定行為は法26条6項の努力義務として整理し、派遣元は要求の目的と内容を確認して、通常派遣では個人を特定しない代替案へ切り替えます。事前面接、履歴書の送付、候補者の指名という呼び方だけで結論を出すと、実際の目的や提供情報を見落とします。要求を受けた時点で契約前の確認工程へ戻し、回答と根拠を案件単位で残すことが重要です。

本記事では、紹介予定派遣を除く通常派遣を中心に、要求の受付から匿名スキルシート等の代替案、派遣先への回答までを整理します。職場見学についても名称だけで一律に判定せず、本人の自発性や実施内容、選考の実態を確認します。

事前面接・特定行為の定義と早見表

事前面接や履歴書や指名の要求を目的と個人特定性で整理する早見表
事前面接や履歴書や指名の要求を目的と個人特定性で整理する早見表

法26条6項の努力義務とは

労働者派遣法第26条第6項は、紹介予定派遣を除く労働者派遣について、派遣の役務の提供を受けようとする者が、契約締結に際して派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないよう努めなければならないと定めています。条文上の位置づけは努力義務であり、あらゆる接触を絶対的な禁止や直ちに違法と表現するものではありません。

派遣元は、派遣先から受けた要求が個人を選ぶ目的を持つか、どの情報を誰に渡すか、通常派遣か紹介予定派遣かを確認します。面接という名称がなくても指名を前提とする選考なら確認が必要であり、反対に職場を確認する機会を名称だけで特定行為と決めることも避けます。

通常派遣と紹介予定派遣の早見表

法第26条第6項は、紹介予定派遣を除くと明記しています。したがって、通常派遣と紹介予定派遣を同じ回答テンプレートで処理せず、まず案件の派遣形態を確定します。紹介予定派遣の制度や採用手続の詳細は本記事へ広げず、該当性に迷う場合は所轄の労働局へ確認します。

要求類型個人特定性の確認目的の確認通常派遣での対応紹介予定派遣派遣元の代替案
事前面接選考対象を絞るか採否判断か業務確認かそのまま受諾せず内容を確認法第26条第6項の除外を確認業務要件の再整理
履歴書氏名等で特定できるか必要情報は何か個人を特定しない情報へ限定案件区分を確認匿名スキルシート
候補者の指名特定個人を選ぶか配置要件か選考か要求の根拠を確認案件区分を確認必須スキルによる照合
職場見学選考の実態があるか就業環境の確認か目的・内容・自発性を確認案件区分を確認業務説明や環境情報の提供

この早見表は、要求類型、個人特定性、目的、法的位置づけ、代替案をつなぐ独自編集フレームです。特定行為を自動判定する表ではなく、派遣元が事実を確認して回答する順序をそろえるために使います。

派遣先の要求内容を見分ける

派遣先の要求を個人特定性と目的と提供情報に分けて確認する図
派遣先の要求を個人特定性と目的と提供情報に分けて確認する図

面接・履歴書・指名で確認する項目

要求を受けたら、要求者、受付日、対象案件、派遣形態、求められた情報、利用目的、回答期限を記録します。面接であれば参加者、質問内容、採否への利用を確認し、履歴書であれば必要とされた項目と提供先を確認します。指名であれば、特定個人を選ぶ要求か、資格や経験など業務要件の確認かを切り分けます。

派遣先が知りたい内容を「人柄」や「相性」のまま受け取らず、業務の内容、責任の程度、必要な技能、就業条件へ置き換えます。派遣の受注・案件オーダー管理で案件要件を具体化し、個人を特定しない範囲で対応できる情報を検討してください。

職場見学を目的と実態で判断する方法

職場見学は、その名称だけで常に特定行為になる、または常に問題がないとは判断できません。本人が就業環境を確認するために自発的に参加するのか、派遣先が候補者を比較して採否を決める場になっていないかを確認します。面談の出席者、質問、選考結果の有無、見学後の手続も記録します。

業務説明と就業場所の確認に必要な範囲を先に決め、履歴書の提出や選考質問を当然の前提にしません。境界が不明な場合は、予定する進行と提供情報を整理して所轄の労働局へ確認します。確認前に「職場見学」と名称だけを変更して実施することは避けてください。

特定行為の要求へ対応する3ステップ

特定行為の要求受付から代替案と回答記録までの3ステップ
特定行為の要求受付から代替案と回答記録までの3ステップ

ステップ1 要求内容と目的を記録する

最初に、派遣先からの要求を口頭のまま処理せず、案件と派遣先窓口へ関連付けます。事前面接、履歴書、指名、職場見学のいずれか、または複数の組合せかを記録し、求める情報と利用目的を確認します。通常派遣か紹介予定派遣かも、この段階で契約予定と照合します。

確認状態は、未確認、確認中、回答可能などに分け、要求を受けたことだけで候補者情報を送付しません。個人情報の取得・利用・提供に関する別の確認は派遣会社の個人情報・マイナンバー管理へ分けます。法第26条第6項の確認記録と個人情報の取扱記録を同じ欄で代用しないことが重要です。

ステップ2 法的位置づけを確認して代替案を示す

次に、紹介予定派遣を除く通常派遣か、要求が派遣労働者の特定を目的としているかを確認します。通常派遣で個人特定につながる要求なら、そのまま受諾するのではなく、派遣先が必要とする業務情報へ戻して代替案を組み立てます。判断が難しいときは実施を急がず、所轄の労働局へ確認します。

代替案には、氏名や連絡先を除いた匿名スキルシート、資格・経験年数の要件表、担当業務の確認票、就業場所の説明資料などがあります。提供項目は案件に必要な範囲で選び、匿名という名称だけで個人を推測できる内容を残さないよう確認します。派遣元が行った判断と派遣先へ示した選択肢を同じ案件版に保存します。

ステップ3 派遣先への回答と案件記録を残す

確認後は、派遣先への回答日、回答者、要求への回答、提示した代替案、確認根拠を記録します。派遣先が要求を修正した場合も、変更前の要求を削除せず、合意した情報範囲と実施内容を新しい版として残します。候補者へ説明した内容がある場合は、対象者と説明日も対応させます。

契約へ進むときは、特定行為への回答と、確定した業務内容・就業条件が一致するかを確認します。契約書の版管理は労働者派遣契約書の電子化、スタッフへの就業条件明示は派遣の就業条件明示書の書き方で確認してください。各書面の役割を分けつつ、同じ案件版を参照できる状態にします。

口頭対応と案件ゲートを比較する

特定行為の要求を口頭で処理する方法と案件ゲートで記録する方法の比較
特定行為の要求を口頭で処理する方法と案件ゲートで記録する方法の比較

担当者判断だけで回答するリスク

営業担当が要求をその場で受諾または拒否すると、派遣先の目的、提供予定情報、派遣形態を確認した経緯が残りません。「事前面接は全部禁止」「職場見学なら全部可能」といった一律回答も、条文上の努力義務と実施実態の確認を省いてしまいます。担当者が替わると、同じ派遣先へ異なる回答をする原因になります。

比較項目口頭での受諾・拒否案件単位の確認ゲート
要求内容呼び方だけを記憶種類・情報・目的を記録
派遣形態後から確認通常・紹介予定を先に確認
個人特定性担当者の感覚提供項目と選考実態を確認
代替案その場で提示匿名情報と業務要件を版管理
回答記録メールや口頭に分散回答日・担当者・根拠を保持
再確認経緯を再調査変更点から確認

案件ゲートでは要求を止めるだけでなく、目的を満たす代替案と回答履歴までを一つの流れにします。法的な結論は担当者が条文と具体的事実に基づいて判断し、システムはその過程を保持します。

派遣HUBの案件・窓口・カスタム項目・監査ログへ対応させる方法

派遣HUBでは、派遣先窓口を拠点ごとに管理し、案件と契約を関連付けられます。カスタム項目で要求類型、目的、提供情報、派遣形態、確認状態、代替案、回答日を持たせ、監査ログで変更者と変更時点を追跡します。派遣先の要求から最終回答までを案件版に残せば、同様の依頼を受けた際も過去の経緯を参照できます。

これは事前面接や職場見学を自動で適法・不適法と判定する機能ではありません。派遣元が要求の実態を確認し、必要に応じて所轄へ照会した結果を整理する記録設計です。未確認の要求を候補者情報の提供や契約作成へ流さない承認点として活用します。

よくある質問

派遣の事前面接と履歴書送付と職場見学に関する質問
派遣の事前面接と履歴書送付と職場見学に関する質問

事前面接は法律上の絶対的な禁止ですか?

労働者派遣法第26条第6項は、紹介予定派遣を除き、派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないよう努めると定めています。本記事では絶対的な禁止とは表現せず、派遣元の契約前対応を整理します。

派遣先へ履歴書を送ってよいですか?

個人を特定できる履歴書を通常の運用として送らず、要求の目的と必要情報を確認し、個人を特定しないスキルシートなどの代替案を検討します。判断できない場合は所轄の労働局へ確認します。

職場見学はすべて特定行為になりますか?

一律には判断できません。実施目的、内容、本人の自発性、個人を特定する選考になっていないかを確認し、境界が不明な場合は所轄の労働局へ確認します。

まとめ

派遣先から事前面接、履歴書、指名、職場見学を求められたときは、法第26条第6項を努力義務として正確に捉え、派遣形態、要求目的、提供情報、個人特定性を確認します。通常派遣では要求を呼び方だけで判断せず、業務要件の明確化や匿名スキルシートなど、個人を特定しない代替案へ切り替えます。職場見学も目的と実施内容を確認してください。

派遣禁止業務の受注判定|適用除外と例外チェック【2026年版】と同様に、判断できない案件は契約前で止め、所轄の労働局へ確認します。要求、代替案、回答日、確認根拠を案件版へ残し、契約や候補者情報の提供へ進む前の確認ゲートを整えましょう。

出典: e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(第26条第6項)。


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