派遣の個人別記録と派遣元管理台帳の違い|記載事項・保存期間・二重管理を避ける書き方【2026年版】
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派遣の個人別記録と派遣元管理台帳の違い|記載事項・保存期間・二重管理を避ける書き方【2026年版】

2026年7月22日26分で読める

「個人別記録」と派遣元管理台帳は、別々に作る2つの帳簿ではありません。労働者派遣法第37条は派遣元管理台帳を「派遣労働者ごと」に作成・記載すると定めており、実務でいう個人別記録とは、この派遣元管理台帳を派遣スタッフ1人単位で捉えた同じ記録を指します。両者を別物と考えて別々のExcelシートに持つと、氏名や派遣先を二重に入力し、記載内容がずれる原因になります。

本記事は、派遣法第37条と施行規則をもとに、派遣元管理台帳と個人別記録の関係、個人に通算で紐づく項目と派遣契約ごとに発生する項目の作り分け、保存期間3年の起算日、そして二重入力を避ける記録設計までを、派遣元の実務目線で整理します。記載必須項目の全リストは既存記事に譲り、本記事は「個人単位でどう記録を束ねるか」に絞ります。

結論:個人別記録と派遣元管理台帳は別帳簿ではなく個人単位で一体(違い早見表)

派遣元管理台帳は派遣労働者ごとに作成する法定帳簿であり、実務で「個人別記録」と呼ばれるものは、その台帳を派遣スタッフ1人の履歴として見た同じ記録です。別の法定帳簿が新たに存在するわけではありません。まず両者の関係を早見表で押さえます。

観点派遣元管理台帳(法定の名称)「個人別記録」(実務での呼び方)
法的根拠労働者派遣法第37条同じ(別の法定帳簿ではない)
作成単位派遣労働者ごと(法第37条第1項)派遣スタッフ1人単位
位置づけ法定帳簿そのもの台帳を個人視点で束ねた同じ記録
保存期間3年(法第37条第2項)3年(同一の台帳のため同じ)
起算日労働者派遣の終了の日(施行規則第32条)同じ
個人別記録と派遣元管理台帳が派遣労働者ごとに一体である関係を示す早見表の図解
個人別記録と派遣元管理台帳が派遣労働者ごとに一体である関係を示す早見表の図解

つまり「個人別記録は作ったが派遣元管理台帳は別に必要か」という問いは、実は同じ記録を二重に持とうとしていることが多いのです。以降で法令の根拠と記録設計を具体的に見ていきます。

派遣元管理台帳と個人別記録の関係を法令で整理(派遣法第37条・施行規則)

派遣元管理台帳は、派遣スタッフの就業状況を派遣元事業主が記録・管理するための法定帳簿です。作成・記載・保存の義務は派遣法第37条にあり、記載事項の細目は施行規則で定められています。この節で、法定の「台帳」と実務用語の「個人別記録」がなぜ同じものかを整理します。

派遣元管理台帳を派遣元事業所ごと・派遣労働者ごとに作成する構造の図解
派遣元管理台帳を派遣元事業所ごと・派遣労働者ごとに作成する構造の図解

派遣元管理台帳とは:派遣労働者ごとに作成・保存する法定帳簿(第37条)

労働者派遣法第37条第1項は、派遣元事業主が派遣就業に関し派遣元管理台帳を作成し、「派遣労働者ごとに」定められた事項を記載しなければならないと定めています。記載事項の一部は同項各号に、残りは厚生労働省令(施行規則第31条)に委任されています。

作成は派遣元事業所ごとに行い、その中で派遣労働者ごとに記載していく構造です。つまり台帳は最初から「個人単位」で組み立てられており、派遣スタッフ1人ずつのページ・レコードが積み上がっていくイメージになります。記載必須項目の全リストは「派遣元管理台帳の書き方と保管ルール|記載必須18項目と自動化の進め方【2026年版】」で扱っています。

「個人別記録」が指すもの:一人の派遣スタッフに通算で紐づく履歴という捉え方

「個人別記録」は、法律の条文にある正式名称ではなく、実務で使われる呼び方です。1人の派遣スタッフについて、複数の派遣先・複数の派遣期間をまたいで積み上がる就業履歴や教育訓練履歴を、個人単位で束ねた記録を指して使われます。

その実体は、派遣元管理台帳を「派遣労働者ごと」に見たものと一致します。法第37条第1項が最初から派遣労働者ごとの作成を求めているため、正しく作れば個人別記録は台帳の中に自然に含まれます。両者を切り離し、台帳とは別に「個人別の履歴シート」を作ろうとすると、後述する二重入力の温床になります。

記載事項の作り分け:個人に紐づく項目と派遣契約ごとに発生する項目

派遣元管理台帳を個人単位で正しく運用するコツは、記載事項を「その人に通算で紐づく項目」と「派遣契約ごとに増えていく項目」に分けて捉えることです。前者はスタッフ1人につき履歴として積み上がり、後者は派遣先・派遣期間ごとに行が増えます。

記載事項を個人に通算で紐づく項目と派遣契約ごとに発生する項目に分類した図解
記載事項を個人に通算で紐づく項目と派遣契約ごとに発生する項目に分類した図解

個人に通算で紐づく項目(教育訓練・キャリアコンサルティング・雇用安定措置の希望と実施)

教育訓練の日時・内容(労働者派遣法第30条の2第1項に基づく段階的・体系的な教育訓練)、キャリアコンサルティングの実施(同条第2項の相談機会の確保)、雇用安定措置の希望内容と実施内容(法第30条)は、いずれも特定の派遣先1件に閉じない、その派遣スタッフ個人に通算で紐づく項目です。

これらは派遣契約が切り替わっても引き継いで管理する必要があります。教育訓練やキャリア形成支援の記録の残し方は「派遣スタッフの教育訓練・キャリア形成支援の義務と記録」、雇用安定措置と直結する抵触日管理は「派遣の3年ルール・抵触日を手作業で管理するリスクと自動化の方法【2026年版】」で詳しく扱っています。

派遣契約ごとに発生する項目(就業日・始業終業時刻・派遣先・業務の種類・組織単位)

一方、派遣就業をした日、始業・終業の時刻、派遣先の名称、就業の場所および組織単位、従事する業務の種類、協定対象派遣労働者か否かの別などは、派遣契約・派遣期間ごとに発生し、行が増えていく項目です。同じスタッフでも派遣先が変われば、これらは新しい記録として追加されます。

この2種類を混同すると、個人に紐づくはずの教育訓練履歴を派遣先ごとにバラして持ってしまったり、逆に派遣先ごとの就業実績を1人分にまとめきれなかったりします。下表は記載事項を2つの性質に振り分けた自社整理です。

分類主な記載事項紐づく単位
個人に通算で紐づく教育訓練の日時・内容、キャリアコンサルティング、雇用安定措置の希望・実施、無期/有期の別派遣スタッフ1人
派遣契約ごとに発生就業した日、始業・終業時刻、派遣先、就業場所・組織単位、業務の種類、協定対象か否か派遣先・派遣期間ごと
個人を識別する基礎派遣労働者の氏名、派遣元責任者・派遣先責任者に関する事項台帳全体で共通

出典: 労働者派遣法第37条・第30条・第30条の2、同施行規則第31条の記載事項を、派遣HUBの帳簿設計に基づき「個人に通算」「派遣契約ごと」に自社整理。責任者に関する事項の記録は「派遣元責任者・派遣先責任者の選任と記録義務【2026年版】」を参照してください。

保存期間はどちらも3年(起算日は労働者派遣の終了の日)

派遣元管理台帳の保存期間は3年です(労働者派遣法第37条第2項)。個人別記録は台帳と同じものなので、保存期間も当然3年で一致します。別々の保存年限があるわけではありません。

起算日は「労働者派遣の終了の日」と定められています(施行規則第32条)。個人単位で見ると、そのスタッフの派遣が終了した日から3年間の保存義務が発生します。派遣が複数回あった場合はそれぞれの終了日が起算点になるため、1人の記録の中でも保存満了のタイミングは項目ごとに異なりうる点に注意が必要です。

二重管理を避ける個人別記録の書き方・記録設計

個人別記録と派遣元管理台帳を「別帳簿」と誤解すると、同じ情報を2か所に書く二重管理が発生します。ここでは、二重入力がなぜ起きるかと、それを避ける記録設計の考え方を示します。

Excelで別々に持つと起きる二重入力と不整合

「派遣元管理台帳」シートと「個人別の履歴」シートを別ファイルで運用すると、氏名・派遣先・業務の種類・就業期間・組織単位といった基礎データを、両方に手入力することになります。片方だけ更新して他方が古いまま残ると、行政の調査時にどちらが正か説明できません。

Excelで台帳と個人別履歴を別管理した場合に基礎データが二重入力され不整合が起きる様子の図解
Excelで台帳と個人別履歴を別管理した場合に基礎データが二重入力され不整合が起きる様子の図解

さらに、教育訓練やキャリアコンサルティングは実施が不定期なため、後追い入力になりがちで、個人シートには残っても台帳側には反映されない、といった抜けが起こります。Excel運用全般の脱却手順は「中小派遣会社が派遣管理を脱Excel化する完全ガイド【2026年版】」にまとめています。

派遣スタッフマスタを軸に一元化する(3帳簿の項目重複マッピング)

二重管理を避ける原則は、派遣スタッフ1人=1レコードの「派遣スタッフマスタ」を軸に据え、そこに派遣先・契約・就業実績を紐づけて、必要な帳簿を出力時に組み立てることです。個人別記録も派遣元管理台帳も、同じマスタから生成する「表示の切り口」にすぎない、という設計にします。

派遣スタッフマスタを軸に3帳簿の共通項目を一元化し二重入力を排除する記録設計の図解
派遣スタッフマスタを軸に3帳簿の共通項目を一元化し二重入力を排除する記録設計の図解

下表は、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳・個人別記録の3つに共通して現れる基礎データ項目と、これらを別々のExcelで管理した場合に同じ項目を何回入力し直すことになるかを整理した自社設計値です。

共通する基礎データ項目派遣元管理台帳派遣先管理台帳個人別記録別々管理での入力回数
派遣労働者の氏名3回
派遣先の名称3回
就業場所・組織単位3回
業務の種類3回
派遣期間・就業した日3回

出典: 派遣HUBのデータモデル(派遣スタッフマスタ・派遣先マスタ・契約マスタ)の項目定義を基に自社整理。入力回数は3帳簿を別々のExcelで管理した場合の同一項目の入力回数を示した自社設計値です。マスタ一元化により、これらは1回の登録で各帳簿へ反映できます。

派遣HUBでの個人別記録・派遣元管理台帳の一元出力と監査ログ

派遣HUBは、派遣スタッフマスタを軸に個人別記録と派遣元管理台帳を一体で扱い、同じデータから複数の帳簿を出力する設計を採用しています。個人単位の履歴と派遣契約ごとの就業実績を、二重入力なしで管理できます。

機能派遣HUBでの扱い
派遣スタッフマスタ個人に通算で紐づく項目(教育訓練・キャリコン・雇用安定措置)を1人1レコードで保持
派遣契約・就業実績派遣先・派遣期間ごとの項目を紐づけて自動で行追加
台帳・個人別記録の出力同一データから派遣労働者ごとの記録を一括出力
クラウド3年保存労働者派遣の終了の日を起算に保存・廃棄判定を自動運用
監査ログ誰がいつ何を変更したかを記録し、改ざんを検知

派遣HUBは、派遣スタッフ1人単位で就業履歴・教育訓練・雇用安定措置の記録を束ね、派遣元管理台帳と個人別記録を二重入力なしで一元管理します。3年保存と廃棄判定もクラウドで自動化します。

よくある質問

個人別記録と派遣元管理台帳は別々に作成する必要がありますか?

いいえ。派遣元管理台帳は法律上、派遣労働者ごとに作成する法定帳簿であり(出典: 労働者派遣法第37条第1項)、実務でいう個人別記録はその台帳を個人単位で見た同じ記録です。別々に作る義務はなく、むしろ別管理は二重入力と不整合の原因になります。

個人別記録(派遣元管理台帳)の保存期間は何年で、いつから数えますか?

保存期間は3年です(出典: 労働者派遣法第37条第2項)。起算日は「労働者派遣の終了の日」と定められています(出典: 労働者派遣法施行規則第32条)。個人単位では、そのスタッフの派遣が終了した日から3年間保存します。

教育訓練やキャリアコンサルティングの記録はどの帳簿に残しますか?

派遣元管理台帳(個人別記録)に、派遣スタッフ個人に通算で紐づく項目として記載します。教育訓練は労働者派遣法第30条の2第1項、キャリアコンサルティングは同条第2項に基づく実施であり、特定の派遣先に閉じず個人単位で管理します。

個人別記録は派遣先ごとに分けて作りますか、それとも派遣スタッフ1人単位ですか?

派遣スタッフ1人単位が基本です。派遣元管理台帳は派遣労働者ごとに作成するため(出典: 労働者派遣法第37条第1項)、1人の中で派遣先・派遣期間ごとの就業実績が行として積み上がる構造にします。

個人別記録・派遣元管理台帳は電子データで作成・保存してもよいですか?

はい。派遣元管理台帳は必須記載事項を満たせば任意の様式で作成でき、電子データでの作成・保存も認められています。クラウドで保存する場合も、3年間の保存と改ざん防止の観点から変更履歴を残せる仕組みが望まれます。

派遣元管理台帳を作成しなくてよい個人別記録のケースはありますか?

派遣元管理台帳は派遣労働者ごとに作成する法定義務があり(出典: 労働者派遣法第37条)、「個人別記録だから台帳は不要」という例外はありません。両者は同じ記録のため、派遣就業がある限り作成・保存が必要です。

まとめ:個人別記録は派遣元管理台帳と一体、個人単位で一元管理する

個人別記録と派遣元管理台帳は、別々の帳簿ではなく、派遣労働者ごとに作成する同じ法定帳簿を個人視点で捉えたものです。記載事項を「個人に通算で紐づく項目」と「派遣契約ごとに発生する項目」に分けて設計し、派遣スタッフマスタを軸に一元化すれば、二重入力と不整合を避けられます。

保存期間はどちらも3年、起算日は労働者派遣の終了の日で一致します。別管理を前提にした運用を見直し、個人単位で記録を束ねる設計に切り替えることが、中小派遣会社の記録実務を軽くする近道です。

出典: 労働者派遣法第37条(派遣元管理台帳の作成・記載・保存)・第30条・第30条の2、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則第31条(記載事項)・第32条(保存期間の起算日)、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」


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派遣HUBは月額¥2,980/名(税込)から、個人別記録と派遣元管理台帳を二重入力なしで一元管理し、3年保存まで自動化します。初期費用¥30,000(税込)で導入できます。

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