
マルチジョブホルダー制度|派遣元の確認・案内手順【2026年版】
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マルチジョブホルダー制度|派遣元の確認・案内手順【2026年版】
マルチジョブホルダー制度では、要件を満たすスタッフ本人が手続を申し出ることが基本です。派遣元は、派遣先を複数経験していることだけで対象と決めず、本人申告に基づく年齢、他社雇用、勤務状況を確認し、必要な雇用情報を案内・提供します。制度の案内、通知の受領、条件変更時の再確認を別々に管理することが実務の要点です。
マルチジョブホルダー制度の対象を理解する
制度の定義と本人申出の原則
雇用保険法第37条の5は、複数の雇用主に雇用される65歳以上の労働者について、各事業所での所定労働時間が20時間未満であり、合計して20時間以上となる場合などに、本人の申出により高年齢被保険者となる制度を定めています。派遣元が対象者を一方的に登録する仕組みではなく、本人による申出が手続の起点です。
年齢、雇用主の数、各事業所の所定労働時間、合計時間などの条件は、本人の状況に応じて確認します。制度の対象に当たりそうだという案内と、加入が確定したという結論を同じ言葉で伝えないようにします。
派遣先・雇用主・適用事業の早見表
派遣では、派遣先事業所と雇用主である派遣元を取り違えないことが重要です。派遣先を複数経験していても、雇用主が複数かどうか、各雇用主での所定労働時間がどうなっているかは別に確認します。早見表には、本人申告日、派遣元での契約、他社雇用の申告、所定労働時間、案内日を置きます。

本人から得た情報は、制度確認に必要な範囲で管理し、派遣先へ不必要に共有しません。他社雇用に関する情報は変わり得るため、確認時点と次回確認の予定を残します。
派遣元が登録・更新時に確認する
年齢・他社雇用・勤務状況を本人申告で確認する
スタッフ登録や更新の面談では、制度の対象になり得る人へ、本人申出による制度であることと確認先を案内します。そのうえで、年齢、他社での雇用、所定労働時間に関する本人申告を受け付けます。派遣先の勤務状況を推測して他社雇用の有無を決めることは避けます。
本人申告を受けた後は、派遣元で確認できる雇用契約と勤務予定を照合します。確認できない他社の情報は、本人の申告内容として扱い、取得日と案内内容を記録します。

本人へ制度と確認先を案内する
案内では、制度の要件が個別の勤務状況で変わること、本人による申出が必要であること、手続の確認先を伝えます。派遣元が案内した日、伝えた内容、スタッフからの質問、次に確認することを管理表に残します。対象外と断定する案内をする前にも、現在の雇用状況と制度の現行案内を確認します。
案内資料を更新するときは、古い要件や受付方法が残らないよう、更新日と確認者を記録します。口頭だけの案内にせず、スタッフが後から確認できる説明を用意します。
情報提供から通知後処理までを追う
本人の手続に必要な雇用情報を準備する
本人が手続を進める場合、派遣元は必要な範囲で雇用情報を確認し、案内に沿って情報提供します。提出書類や提出先の最新情報は変わる可能性があるため、手続時点の公的案内を確認します。本人の申出を受けた日、提供した情報、確認した担当を記録します。

他社雇用の内容を派遣元が代わりに断定したり、本人の申出なしに手続を進めたりしないことが大切です。情報に不明点がある場合は、何を本人へ確認するかを明らかにし、保留の理由を残します。
通知・給与処理・要件変更をスタッフ履歴へ戻す
通知を受けた後は、通知日、必要な給与処理、確認者、スタッフへの連絡をスタッフ履歴に戻します。雇用保険法第37条の5では、複数事業所に関する事情が変わった場合の申出についても定めているため、他社雇用や所定労働時間の変更があれば、本人へ再確認の案内を行います。

給与担当へ渡す情報は、必要な手続・控除の確認に限り、他社雇用の詳細を不要に共有しません。業務上の確認事項と個人情報の管理範囲を分けておくことが重要です。
派遣HUBの派遣先・給与情報と掛け持ち管理表をつなぐ
派遣先履歴を参照し、他社雇用の申告は別に管理する
派遣HUBでは、派遣先事業所、派遣契約、アサイン、勤怠実績、給与計算に必要な確認元を参照できます。マルチジョブホルダー制度の要件を自動で判定したり、本人に代わって申出を行ったりするものではありません。派遣元での雇用情報と派遣先履歴を確認する入口として使います。
他社雇用の申告は、派遣先履歴とは別の掛け持ち管理表で、必要な範囲に限って管理します。派遣先が複数あることと、複数の雇用主に雇用されることを同じ意味に扱わないようにします。

確認日・案内・通知・再確認日を社内管理表に残す
社内管理表には、本人申告日、確認日、案内内容、通知日、再確認日、担当者を残します。勤務先の組合せや所定労働時間が変わった場合に、前回確認の前提をたどれるようにします。
管理表には、本人が申出を検討している段階と、通知を受けた後の段階を分けて記録します。案内だけを行ったスタッフについても、加入が確定したように見える表現を避け、確認中・本人確認待ち・案内済みといった状態を明確にします。担当者は、前回の案内内容と確認対象の変化を見ながら、必要な再確認を行います。
他社雇用に関する申告は、目的外に使わないよう管理範囲を限定します。派遣先窓口が知る必要のない情報を共有せず、派遣元での雇用契約や給与処理に必要な事項と分けます。申告内容に更新があった場合は、前の情報を消すだけでなく、更新日と本人からの連絡方法を残します。
制度案内を行う担当と、給与処理や労務手続を確認する担当が異なる場合は、誰が何を確認したかを管理表に残します。通知の内容を受けた後は、必要な給与処理の確認、スタッフへの連絡、次回の見直し日を別の完了項目にし、連絡だけで案件を閉じないようにします。
マルチジョブホルダー制度に関するよくある質問
要件を満たすと自動で加入しますか
自動で加入するものではありません。制度では本人による申出が基本であり、個別の条件と現行の手続案内を確認して進めます。
派遣先を2社掛け持ちすれば対象ですか
派遣先が2社であることだけでは判断できません。雇用主が複数か、各事業所の所定労働時間と合計時間がどうなっているかなどを、本人申告と雇用情報で確認します。
勤務先の組合せが変わったらどうしますか
雇用主や所定労働時間などの事情が変わったら、本人へ再確認を案内します。変更日、本人申告、案内内容、通知後の処理を管理表に残します。
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まとめ
マルチジョブホルダー制度では、本人申出を起点に、派遣先と雇用主を分け、年齢・他社雇用・所定労働時間を確認します。案内、情報提供、通知後の記録、条件変更時の再確認をつなげることで、個人情報に配慮した運用ができます。
案内を受けたスタッフの状況は変わり得るため、前回の確認内容を固定せず、更新時には本人申告と派遣元で確認できる情報を見直します。制度の確認と、通常のスタッフ情報更新を同じ担当表で追い、必要な範囲だけを労務・給与担当へ引き渡すことが大切です。
確認の各段階を記録し、本人からの新しい申告を受けた場合は、案内内容と通知後の処理を改めて確認します。個人の状況を推測せず、本人申出と確認可能な雇用情報に基づく運用を続けます。
スタッフからの質問を受けた場合は、制度の要件と手続の確認先を案内し、派遣元が確認できる雇用情報を整理します。確定前の情報を断定的に伝えず、現在の勤務状況に基づく確認が必要なことを共有します。
案内の履歴を残す際は、制度に関する説明と本人からの申告を区別します。本人の状況に変化があったときに、いつの情報を基に案内したかを確認でき、必要な再案内を行いやすくなります。
関連する実務は、労働保険の手続、社会保険と有給休暇の管理、副業・兼業の労働時間通算も参照してください。
出典: 雇用保険法第37条の5
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