外国人派遣の在留資格確認|派遣元が見るべき就労可否と届出義務【2026年版】
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外国人派遣の在留資格確認|派遣元が見るべき就労可否と届出義務【2026年版】

2026年8月22日27分で読める

外国人を派遣スタッフとして就労させられるかは、本人の在留資格で決まります。永住者や日本人の配偶者などの身分系の在留資格なら職種を問わず派遣できますが、技術・人文知識・国際業務(技人国)や特定技能は認められた業務の範囲内に限られ、留学や家族滞在は資格外活動許可がなければ就労できません。

派遣元がまず確認すべきは、(1)その在留資格で派遣就労が可能か、(2)就労できる範囲が派遣先の業務と合っているか、の2点です。ここを誤って就労させると、派遣元は雇用主として不法就労助長罪(出入国管理及び難民認定法第73条の2)に問われるおそれがあります。

本記事では、在留資格別の派遣可否の早見表、在留カードでの確認手順、派遣元が負う外国人雇用状況の届出義務と在留期限の更新管理、そして2026年(令和8年)に変わった技人国の派遣就労の取扱いまでを、派遣会社の実務目線で整理します。

結論:派遣元が確認すべきは『在留資格で派遣就労が可能か』と『就労範囲が派遣先業務と合うか』(在留資格別 派遣可否 早見表)

外国人の派遣就労の可否は、在留資格を4つの区分に分けて考えると整理できます。就労制限のない身分系、就労範囲に制限のある活動系(技人国・特定技能)、資格外活動許可が必要な留学・家族滞在、そして就労が認められない在留資格です。

在留資格別の派遣就労可否を4区分で整理した早見表
在留資格別の派遣就労可否を4区分で整理した早見表
在留資格の区分代表例派遣就労の可否就労範囲・注意点
身分・地位に基づく在留資格永住者・定住者・日本人の配偶者等可(就労制限なし)職種の制限なし。単純作業を含め派遣できる
就労範囲に制限がある在留資格技術・人文知識・国際業務/特定技能条件付きで可認められた活動の範囲内のみ。技人国の派遣は2026年3月から手続き厳格化
原則就労不可+資格外活動許可が必要留学・家族滞在許可があれば可資格外活動許可の範囲内(原則週28時間以内)。許可がなければ就労不可
就労が認められない在留資格短期滞在 など不可就労させると不法就労助長罪のリスク

出典:出入国管理及び難民認定法・出入国在留管理庁の公表資料を基に自社整理

外国人を派遣で就労させられる在留資格の種類

在留資格は約30種類あり、就労の可否は資格ごとに定められています。派遣元は「就労できるか」だけでなく「どの範囲まで就労できるか」を資格の区分で判断します。

在留資格を就労可否で就労制限なし・制限あり・要資格外活動許可の3つに分けた分類図
在留資格を就労可否で就労制限なし・制限あり・要資格外活動許可の3つに分けた分類図

就労制限がない在留資格(身分・地位に基づく在留資格=永住・定住・日本人の配偶者等)

永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等は、在留資格に就労の制限がありません。日本人と同じように職種を問わず働けるため、製造・軽作業を含めどの派遣先へも就労させられます。

これらは活動ではなく身分・地位に基づく在留資格のため、派遣先の業務内容と資格の整合を細かく判定する必要はありません。ただし在留カードの表面で就労制限が「就労制限なし」であることと、在留期間(満了日)は必ず確認します。

就労範囲に制限がある在留資格(技術・人文知識・国際業務/特定技能)

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、技術・人文科学の知識や外国の文化に基づく感受性を要する業務に就くための在留資格です。認められた活動の範囲でのみ就労でき、単純作業を主とする業務には原則として就けません。派遣先の業務内容がこの範囲に収まるかを、派遣契約ごとに確認する必要があります。

特定技能は、指定された産業分野の業務に限って就労が認められる在留資格です。特定技能1号は原則として直接雇用が求められ、派遣が認められるのは農業・漁業など季節性のある一部の分野に限られます。技人国・特定技能を派遣する場合は、派遣先の業務が資格の範囲内かどうかの見極めが欠かせません。

原則就労不可+資格外活動許可が必要な在留資格(留学・家族滞在・週28時間の上限)

留学や家族滞在は、就学や家族の扶養を受けることを本来の目的とする在留資格で、そのままでは就労できません。資格外活動許可を受けて初めてアルバイトが可能になり、就労時間は原則として1週間に28時間以内に制限されます(出入国管理及び難民認定法第19条・同法施行規則第19条第5項第1号)。留学生は学則で定める長期休業期間中に限り、1日8時間・週40時間以内まで認められます。

派遣元はこの上限を勤怠で管理し、複数の就業先を掛け持ちする場合は合算で28時間を超えないよう注意します。なお学生は日雇い派遣の原則禁止の例外に当たる場合がありますが、資格外活動の時間制限は別途かかります。詳しくは「日雇い派遣の原則禁止と例外(30日以内)」を参照してください。

派遣元による在留資格の確認方法(実務手順)

在留資格の可否を判断する起点は、在留カードの確認です。派遣元は雇用主として就労が認められるかを確かめ、確認した内容を記録に残す義務があります。Web登録の段階で在留確認を組み込む運用は「派遣スタッフのWeb登録・書類デジタル化」で扱っています。

在留カードで確認する項目(表面の就労制限の有無・裏面の資格外活動許可欄)

在留カードの表面と裏面で確認すべき就労可否のチェック箇所を示した図
在留カードの表面と裏面で確認すべき就労可否のチェック箇所を示した図

在留カードの表面には、在留資格・在留期間(満了日)とともに「就労制限の有無」が記載されます。「就労制限なし」なら職種を問わず就労でき、「在留資格に基づく就労活動のみ可」なら認められた範囲に限られ、「就労不可」は原則として就労できません。

「就労不可」でも、裏面の資格外活動許可欄に許可の記載があれば、その範囲内で就労できます。留学・家族滞在のスタッフは、表面の「就労不可」だけを見て断らず、裏面の許可欄まで必ず確認します。表面と裏面の両方を確認するのが実務の基本です。

在留カードの真偽確認(在留カード等読取アプリケーション・在留カード等番号失効情報照会)

在留カードは精巧な偽造品が出回っているため、券面を目視するだけでは真偽を判断しきれません。出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの記載事項を読み取り、券面の記載と一致するかを確認できます。

あわせて「在留カード等番号失効情報照会」で、そのカード番号が失効していないかを照会します。確認した日付と結果を記録に残しておくと、後日の説明や在留期間更新時の再確認に役立ちます。

確認後に派遣元が負う義務(届出・在留期限の更新管理)

在留資格を確認して就労させた後も、派遣元には届出と在留期限の管理という継続的な義務が残ります。

外国人雇用状況の届出は派遣元が行う(届出期限・30万円以下の罰金)

外国人雇用状況の届出の主体と期限を示すフロー図
外国人雇用状況の届出の主体と期限を示すフロー図

外国人を雇い入れたとき・離職したときは、その氏名・在留資格・在留期間などをハローワークへ届け出る義務があります(労働施策総合推進法第28条)。派遣スタッフの雇用主は派遣元であるため、届出を行うのは派遣先ではなく派遣元です。

届出期限は、雇用保険の被保険者となる場合は雇用保険の資格取得・喪失の届出に準じ、被保険者とならない場合は雇入れ・離職した日の属する月の翌月末日までです。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります(出典:労働施策総合推進法第28条、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」)。なお特別永住者や在留資格「外交」「公用」の人は届出の対象外です。

在留期間と派遣契約期間の整合・在留期限切れを防ぐ更新管理

在留期限と派遣契約期間を突き合わせて期限切れを防ぐ管理イメージ図
在留期限と派遣契約期間を突き合わせて期限切れを防ぐ管理イメージ図

在留期間には満了日があり、在留期間更新許可申請を怠ると在留資格を失います。在留期限を過ぎた外国人を就労させると不法就労となり、派遣元も不法就労助長罪に問われかねません。派遣契約の期間が在留期限を超えて設定されていないか、更新の見込みはあるかを、契約締結時と更新時に突き合わせます。

在留期限が近づくスタッフを一覧で把握できないと、更新月の見落としが起きます。在留資格・在留期限・資格外活動許可の上限・届出状況をスタッフごとに一元管理し、期限前にアラートを出す仕組みが実務では有効です。派遣HUBは、外国人スタッフの在留情報を1件のレコードで保持し、届出や派遣元管理台帳と連動させる設計です。

管理項目保持する内容主な連動先
在留資格資格の種類・就労可否区分派遣可否の判定
在留期間(満了日)在留カードの満了日期限前アラート・派遣契約期間
資格外活動許可許可の有無・週の上限時間勤怠の週28時間チェック
在留カード確認記録番号・確認日・真偽照会結果更新時の再確認
外国人雇用状況届出届出済/未届・提出期限届出漏れの防止

出典:派遣HUBのスタッフ管理レコードの項目設計(自社設計値)

在留期限をExcelや紙で個別に管理すると、更新月の見落としや資格外活動許可の上限超過が起きやすくなります。台帳との連動は「派遣元管理台帳の書き方と保管ルール(18項目)」、脱Excelの進め方は「中小派遣会社が派遣管理を脱Excel化する完全ガイド【2026年版】」で整理しています。

2026年(令和8年)の技人国×派遣の取扱い変更と追加書類(誓約書・派遣契約関係書類)

2026年3月からの技人国の派遣就労で必要になる新しい手続きの流れを示す図
2026年3月からの技人国の派遣就労で必要になる新しい手続きの流れを示す図

出入国在留管理庁は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いを見直し、令和8年(2026年)3月9日以降の申請分から手続きを厳格化しました。主な変更点は次の3つです。

第一に、申請時点で派遣先が確定していることが必要で、派遣先が未定のままでは在留諸申請の許可を受けられません。第二に、派遣元・派遣先の双方による誓約書の提出が求められます。第三に、在留期間は派遣契約の期間に応じて決定され、審査の際に派遣先へ直接、業務内容や活動状況を確認する場合があります。技人国の外国人を派遣する予定がある派遣元は、派遣先の確定と誓約書・派遣契約関係書類の準備を早めに進める必要があります。

契約書類の電子化は「労働者派遣契約書を電子化する完全ガイド【2026年版】」もあわせてご覧ください(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」令和8年2月)。

よくある質問

外国人を派遣スタッフとして働かせられる在留資格は何ですか?

永住者・定住者・日本人の配偶者等など就労制限のない身分系の在留資格なら、職種を問わず派遣就労させられます。技術・人文知識・国際業務や特定技能は認められた業務の範囲内に限られ、留学・家族滞在は資格外活動許可があれば原則週28時間以内で就労できます(出典:出入国管理及び難民認定法第19条)。

技術・人文知識・国際業務(技人国)の外国人は派遣で就労できますか?

できますが、認められた業務の範囲内に限られ、単純作業を主とする派遣先には就けません。さらに令和8年(2026年)3月9日以降の申請分からは、派遣先の確定と、派遣元・派遣先双方の誓約書の提出が必要です(出典:出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」令和8年2月)。

留学生を派遣スタッフとして雇う場合、就労時間に制限はありますか?

あります。資格外活動許可を受けた留学生の就労は原則1週間28時間以内で、学則で定める長期休業期間中に限り1日8時間・週40時間以内まで認められます。複数の就業先を掛け持ちする場合は合算で判断します(出典:出入国管理及び難民認定法第19条)。

外国人雇用状況の届出は派遣元と派遣先のどちらが行いますか?

雇用主である派遣元が行います。派遣スタッフの雇用主は派遣元であるため、雇入れ・離職の届出義務は派遣元が負います。届出を怠ると30万円以下の罰金の対象になります(出典:労働施策総合推進法第28条、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」)。

在留カードが本物かどうかはどうやって確認しますか?

出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの内容を読み取って券面と照合し、「在留カード等番号失効情報照会」で番号が失効していないかを確認します。券面の目視だけに頼らず、確認した日付と結果を記録に残します(出典:出入国在留管理庁)。

在留期間が満了しそうな外国人スタッフの派遣契約はどう管理すればよいですか?

在留期間の満了日と派遣契約の期間を突き合わせ、契約期間が在留期限を超えないよう管理します。在留期限を過ぎて就労させると不法就労助長罪のリスクがあるため、期限が近づいたらアラートで把握し、更新の見込みを確認したうえで契約を結ぶことが重要です(出典:出入国管理及び難民認定法第73条の2)。

まとめ:在留資格は『種類ごとの可否 × 就労範囲 × 届出・在留期限の更新』を仕組みで管理する

外国人の派遣就労は、在留資格の種類で可否が分かれ、活動系の在留資格では就労範囲が派遣先の業務と合うかまで確認する必要があります。就労させた後も、外国人雇用状況の届出と在留期限の更新管理という継続的な義務が派遣元に残ります。

在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無・届出状況をスタッフごとに一元管理し、在留期限が近づいたら自動で気づける仕組みにしておくことが、不法就労助長罪のリスクと届出漏れを同時に防ぐ近道です。技人国の派遣就労のように制度は変わり続けるため、運用を都度更新できる体制も欠かせません。

出典:出入国管理及び難民認定法(第19条・第73条の2)、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第28条、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」、出入国在留管理庁「在留カードとは」「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年2月)


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