派遣スタッフの産休・育休・介護休業|派遣元の対応と社保料免除・給付金申請【2026年版】
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派遣スタッフの産休・育休・介護休業|派遣元の対応と社保料免除・給付金申請【2026年版】

2026年8月23日26分で読める

派遣スタッフから産休・育休・介護休業の申し出を受けたとき、派遣元(派遣会社)がやるべきことは「取得要件の判定」「休業中の社会保険料免除の申出」「各種給付金の事業主申請」の3点に集約されます。休業する本人の雇用主は派遣先ではなく派遣元であるため、手続きの主体はすべて派遣元です。

とくに派遣スタッフは有期雇用が多く、育児休業・介護休業には有期雇用特有の取得要件があります。さらに社会保険料の免除申出や育児休業給付金・介護休業給付金の申請は、年金機構・ハローワーク・協会けんぽと窓口が分かれ、書式も期限もバラバラです。1人分の休業対応でも扱う様式は5種類前後にのぼり、申請漏れは本人の不利益とトラブルに直結します。

この記事では、産前産後休業・育児休業・介護休業の3休業について、派遣元がやるべき手続きを実務の順序で整理します。加入判定や有給の年5日取得といった就業中の常時対応は派遣スタッフの社会保険・有給休暇管理を自動化する方法【2026年版】に譲り、本記事は「休業イベントが起きたときに何を・どこへ出すか」に絞って解説します。

結論:派遣スタッフの3休業で派遣元がやることは「要件判定・社保料免除・給付金申請」の3点

派遣スタッフの3休業への対応は、休業ごとに根拠法と手続きは違っても、派遣元がやることは「取得要件を判定する」「社会保険料の免除を申し出る」「給付金を事業主として申請する」という同じ骨格でとらえられます。まず全体像を早見表で押さえておくと、個別の様式に迷いにくくなります。

休業主な根拠法期間の目安派遣元(事業主)の主なタスク
産前産後休業労働基準法第65条産前6週間(多胎14週間)・産後8週間就業制限の順守/社会保険料免除の申出/出産手当金申請の証明
育児休業育児・介護休業法第5条原則、子が1歳(最長2歳)まで有期の取得要件判定/社会保険料免除の申出/育児休業給付金の申請
介護休業育児・介護休業法第11条対象家族1人につき通算93日・3回まで分割有期の取得要件判定/介護休業給付金の申請/両立支援

出典: 労働基準法第65条、育児・介護休業法第5条・第11条を基に整理。

派遣スタッフの産休・育休・介護休業で派遣元がやることの全体像
派遣スタッフの産休・育休・介護休業で派遣元がやることの全体像

産前産後休業への派遣元対応(労働基準法第65条)

産前産後休業は労働基準法第65条を根拠とし、雇用主である派遣元が就業制限と保険手続きの責任を負います。給付金の窓口が育休・介護休業とは異なる点に注意が必要です。

産前6週間・産後8週間の休業と就業制限のルール

労働基準法第65条は、産前6週間(多胎妊娠は14週間)について女性が請求した場合は就業させてはならず、産後は8週間就業させてはならないと定めています。産後6週間を経過した後は、本人が請求し医師が支障なしと認めた業務に限り就業できます(出典: 労働基準法第65条)。加えて第66条により、妊産婦が請求した場合は時間外労働・休日労働・深夜業をさせることはできません(出典: 労働基準法第66条)。派遣元は、これらの制限を派遣先の就業条件にも反映させる必要があります。

産休中の社会保険料免除と出産手当金の事業主申請

産前産後休業中は、健康保険・厚生年金保険料が本人負担・事業主負担ともに免除されます。派遣元が「産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構(年金事務所)へ提出することで免除が受けられます(出典: 日本年金機構)。また、健康保険の被保険者には出産手当金として、出産日以前42日(多胎98日)から出産の翌日以後56日までの範囲で、休んだ期間について標準報酬日額の3分の2相当が支給されます(出典: 健康保険法第102条、協会けんぽ)。支給申請書には事業主の証明欄があるため、派遣元は本人の申請を証明・サポートする立場になります。

産前産後休業のスケジュールと就業制限のイメージ
産前産後休業のスケジュールと就業制限のイメージ

育児休業への派遣元対応(育児・介護休業法)

育児休業は育児・介護休業法第5条を根拠とし、有期雇用の派遣スタッフに固有の取得要件があります。要件の判定を誤ると、取得できる人を取得できないと誤案内する重大なトラブルになります。

有期雇用の派遣スタッフの育休取得要件(2022年4月の緩和)

かつて有期雇用の育児休業には「同一事業主に引き続き1年以上雇用されていること」という要件がありましたが、2022年4月1日の改正でこの要件は撤廃されました。現在の要件は「子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新後の契約を含む)の期間が満了することが明らかでないこと」の1点です(出典: 育児・介護休業法第5条、厚生労働省)。ただし、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外できます。派遣スタッフは契約更新を重ねるため、更新見込みを踏まえた個別判定が欠かせません。

育休中の社会保険料免除と育児休業給付金の申請

育児休業中も、派遣元が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出することで、健康保険・厚生年金保険料が免除されます(出典: 日本年金機構)。あわせて、雇用保険の被保険者には育児休業給付金が支給されます。申請は事業主である派遣元がハローワークへ行うのが一般的で、初回は「休業開始時賃金月額証明書」の提出が必要です(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児休業給付」)。給付金は原則2か月ごとの申請となるため、休業中も継続的な事務が発生します。

教育訓練やキャリア形成支援の記録とあわせて管理する必要がある点は派遣元管理台帳の書き方と保管ルール【2026年版】も参考になります。

有期雇用の派遣スタッフの育児休業取得要件の判定フロー
有期雇用の派遣スタッフの育児休業取得要件の判定フロー

介護休業への派遣元対応(対象家族1人につき通算93日・3回分割)

介護休業は育児・介護休業法第11条を根拠とし、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。育児休業と手続きは似ていますが、社会保険料の免除がない点が大きく異なります。

介護休業・介護休暇の取得ルールと2025年4月改正のポイント

介護休業は、要介護状態にある対象家族の介護のために、対象家族1人につき通算93日を限度に3回まで分割取得できます(出典: 育児・介護休業法第11条)。有期雇用の場合は「介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかでないこと」が取得要件です。2025年4月の改正では、介護に直面した労働者への個別の周知・意向確認や、介護休暇を取得できる労働者の要件緩和(勤続6か月未満を労使協定で除外する仕組みの廃止)など、両立支援が強化されました(出典: 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」)。

介護休業の取得ルール(対象家族1人につき通算93日・3回まで分割)の図解
介護休業の取得ルール(対象家族1人につき通算93日・3回まで分割)の図解

介護休業給付金の事業主申請と両立支援措置

介護休業中は、雇用保険の被保険者に介護休業給付金が支給されます。申請は事業主である派遣元がハローワークへ行うのが一般的で、対象家族・休業期間を確認したうえで手続きします(出典: 厚生労働省・ハローワーク「介護休業給付」)。産休・育休と違い、介護休業中の社会保険料は免除されないため、休業中の保険料の取り扱いを本人と確認しておくことが実務上のポイントです。両立支援の観点では、介護に直面する前からの情報提供や相談体制の整備も派遣元に求められます。

派遣特有の実務論点と手作業管理の限界

3休業の手続きは制度ごとに窓口が分かれるうえ、派遣特有の論点が重なります。妊娠報告から復帰までの各局面で「誰が・いつ・どこへ」を取りこぼさない仕組みが不可欠です。

休業中の派遣契約・抵触日・代替要員の扱い

派遣スタッフが休業に入ると、就業中の派遣契約をどう扱うか、派遣先へ代替要員をどう手配するかという派遣特有の調整が発生します。また、休業期間も雇用は継続するため、個人単位の期間制限(抵触日)の管理を止めてよいわけではなく、復帰後の就業条件の再設定まで見据える必要があります。長期の休業と復帰は、スタッフの定着にも直結するため派遣スタッフの定着率を上げる方法【2026年版】の観点もあわせて押さえておきたいところです。

申出書・給付金の申請漏れを自動化で防ぐ

1人分の休業対応で扱う様式と提出先は、以下のように複数の公的機関にまたがります。窓口ごとに期限が異なるため、Excelと記憶だけの管理では申請漏れや期限超過が起きやすくなります。

手続き使う主な様式・申請提出先
産休の社保料免除産前産後休業取得者申出書日本年金機構(年金事務所)
育休の社保料免除育児休業等取得者申出書日本年金機構(年金事務所)
出産手当金出産手当金支給申請書協会けんぽ等(健康保険の保険者)
育児休業給付金育児休業給付金支給申請書・休業開始時賃金月額証明書ハローワーク(公共職業安定所)
介護休業給付金介護休業給付金支給申請書ハローワーク(公共職業安定所)

出典: 各様式・提出先は日本年金機構・協会けんぽ・厚生労働省の公表資料を基に、派遣HUBの管理設計として整理(自社整理)。

妊娠・介護の報告から復帰までの各局面と派遣元タスクの提出先マップ
妊娠・介護の報告から復帰までの各局面と派遣元タスクの提出先マップ

派遣HUBによる休業・給付金管理の自動化

窓口も期限も分かれる休業対応は、スタッフ情報と雇用契約データを一元管理し、必要なタスクを自動で洗い出す仕組みにすると漏れを止められます。派遣HUBは中小派遣会社向けに、この一元管理を前提として設計されています。

標準機能:有期要件判定・社保料免除の起算・給付金タスク管理

派遣HUBは、スタッフ管理に登録した入社日・雇用契約データをもとに、有期雇用の育休・介護休業の取得要件を判定する設計方針を採っています。社会保険料免除の起算や給付金申請の期限をタスクとして可視化し、産前産後休業取得者申出書などの提出タイミングを取りこぼさない運用を目指せます。妊娠・介護の報告から復帰までの局面ごとに、派遣元が扱う様式と提出先を1つの流れとして束ねられるのが強みです。個人情報を多く扱う手続きのため、管理体制は派遣会社の個人情報・マイナンバー管理【2026年版】の観点もあわせて整えると安全です。

中小派遣会社でも導入しやすい価格

派遣HUBは、勤怠・給与・請求・法定帳簿・派遣業法コンプライアンスをひとつで扱えるオールインワン設計です。料金は月額¥2,980/名(税込)から、初期費用¥30,000(税込)で、休業対応を含む煩雑な事務を一元管理できます。基幹業務全体を効率化する観点は派遣会社の基幹業務(勤怠・給与・請求)を効率化する完全ガイド【2026年版】もご覧ください。

よくある質問

有期雇用の派遣スタッフでも育児休業を取得できますか

取得できます。2022年4月の改正で「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は撤廃され、現在は「子が1歳6か月に達する日までに労働契約(更新後を含む)が満了することが明らかでないこと」が要件です(出典: 育児・介護休業法第5条)。ただし雇用1年未満の労働者は労使協定で除外できます。派遣は更新見込みを踏まえた個別判定が必要です。

派遣元は産休・育休中の社会保険料免除の手続きをどう行いますか

派遣元が事業主として、産休は「産前産後休業取得者申出書」、育休は「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構(年金事務所)へ提出します(出典: 日本年金機構)。これにより健康保険・厚生年金保険料が本人・事業主とも免除されます。なお介護休業中の社会保険料は免除の対象外です。

育児休業給付金の申請は派遣元(事業主)が行うのですか

事業主である派遣元がハローワークへ申請するのが一般的です。初回は「休業開始時賃金月額証明書」の提出が必要で、原則2か月ごとに支給申請を行います(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児休業給付」)。休業中も継続的な事務が発生するため、期限管理が重要になります。

派遣スタッフが妊娠を報告してきたら派遣元はまず何をすべきですか

まず産前産後休業・育児休業のスケジュールを本人と共有し、有期雇用の場合は契約期間から育休の取得要件を判定します。あわせて産前産後の就業制限(労働基準法第65条・第66条)を派遣先の就業条件へ反映し、社会保険料免除や給付金申請の段取りを組みます。派遣先への代替要員手配も並行して進めます。

介護休業は派遣スタッフにも適用されますか

適用されます。育児・介護休業法第11条により、対象家族1人につき通算93日まで3回に分けて取得できます(出典: 育児・介護休業法第11条)。有期雇用の場合は、休業開始予定日から93日経過日から6か月を経過する日までに契約満了が明らかでないことが要件です。介護休業給付金の申請は派遣元がハローワークへ行います。

まとめ:3休業は「要件判定・社保料免除・給付金申請」を仕組みで守る

派遣スタッフの産前産後休業・育児休業・介護休業は、根拠法も窓口も別々ですが、派遣元がやることは「取得要件を判定する」「社会保険料の免除を申し出る」「給付金を事業主として申請する」という共通の骨格でとらえられます。とくに有期雇用の取得要件と、年金機構・ハローワーク・協会けんぽにまたがる申請期限は、Excelと記憶だけの管理では漏れやすい領域です。スタッフ情報と雇用契約データを一元化し、必要なタスクと様式を自動で洗い出す仕組みを整えることが、申請漏れを止める最短の対策になります。

出典: 労働基準法第65条・第66条、育児・介護休業法第5条・第11条、健康保険法第102条、日本年金機構「産前産後休業・育児休業等取得者申出書」、協会けんぽ「出産手当金」、厚生労働省・ハローワーク「育児休業給付」「介護休業給付」、厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」、e-Gov法令検索。


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