
派遣のキャリアコンサルティング窓口|相談・記録の運用【2026年版】
派遣元はキャリアコンサルティングの相談窓口を全スタッフへ周知し、希望者の申込から担当割当、相談、フォロー、個人別記録までを閲覧権限付きで運用します。窓口を設けるだけでは、誰が申込を受け、どこまでの情報を担当者へ渡し、相談後に誰がフォローするかが曖昧になります。受付情報と相談内容を必要な範囲で分けることも大切です。
労働者派遣法第30条の2第2項は、派遣元事業主に対し、雇用する派遣労働者の求めに応じ、その職業生活の設計に関する相談の機会の確保その他の援助を行うことを義務づけています。この相談の機会が実務上「キャリアコンサルティング」と呼ばれます。法律の条文と実務上の呼称を区別し、最新の業務取扱要領に沿って窓口を運用します。
キャリアコンサルティング窓口と早見表

派遣元が確保する相談機会
労働者派遣法第30条の2第2項は、派遣元事業主に対し、雇用する派遣労働者の求めに応じ、その職業生活の設計に関する相談の機会の確保その他の援助を行うことを義務づけています。この相談の機会が実務上「キャリアコンサルティング」と呼ばれます。条文自体に「キャリアコンサルティング」という語があるとは説明しません。
厚生労働省の業務取扱要領の許可基準では、キャリアコンサルティングの相談窓口、担当者、利用できる対象、周知などが示されています。要領は法律そのものではなく改正され得る行政の運用基準なので、保存済みの抜粋だけで運用を固定せず、必ず最新版を確認してください。派遣の教育訓練・キャリア形成支援では制度全体を確認できます。
受付からフォローまでの早見表
相談窓口は、周知、受付、担当割当、相談、フォロー、個人別記録という6工程で設計します。全スタッフが利用方法を知り、希望者が申し込める入口を用意することと、全スタッフへ一律に相談面談を実施することは同じではありません。
| 工程 | 対象者 | 窓口 | 担当 | 記録項目 | フォロー | 閲覧権限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 周知 | 雇用する派遣労働者 | 周知用の案内 | 窓口管理担当 | 周知日・周知経路 | 未閲覧者への再案内 | 対象者全員が案内を閲覧 |
| 受付 | 相談を希望する人 | 電話・メール・Web等 | 受付担当 | 申込日・受付経路 | 担当割当へ引継ぎ | 受付担当・管理担当 |
| 担当割当 | 受付済みの申込 | 管理窓口 | 管理担当 | 担当・日程・方法 | 確定内容を本人へ連絡 | 管理担当・相談担当 |
| 相談 | 申込者 | 確定した相談方法 | 相談担当 | 実施日・必要な概要 | 次の対応を確認 | 相談担当 |
| フォロー | 継続対応が必要な人 | 指定した連絡先 | 相談担当 | 次回対応・状態 | 対応状態を更新 | 必要な担当者 |
| 個人別記録 | 相談を実施した人 | 制限した保管先 | 記録管理担当 | 受付からフォローの対応 | 必要性を継続確認 | 許可された担当者 |
この表は法定様式の項目一覧ではなく、窓口の抜けを防ぐ独自編集フレームです。記録する情報と閲覧者は自社の規程で必要最小限にし、最新の公的資料と社内の情報管理ルールを照合します。
窓口・担当者・記録の役割を分ける

派遣元が全スタッフへ周知する内容
最新の業務取扱要領を確認したうえで、相談窓口、対象者、受付経路、受付時間や返信方法、相談方法、取扱い上の注意を周知します。電話、メール、Webの3経路を用意するときは、どの入口から申し込んでも同じ受付番号と担当割当へつながるようにします。受付経路ごとに別の共有表を作らないことが重要です。
周知対象は窓口を利用できる全スタッフですが、相談は本人の求めを起点に受け付けます。派遣スタッフ向けマイページのお知らせ欄など複数の到達手段を使い、就業中、待機中、拠点外のスタッフにも入口が分かる状態を保ちます。周知履歴は相談内容と分けて管理します。
相談担当者と管理担当者が扱う情報
相談担当者は相談の実施と必要なフォローを扱い、窓口管理担当者は受付、担当割当、日程、対応状態を管理します。受付担当が詳細な相談内容まで閲覧する必要はありません。役割ごとに見える情報を分け、引継ぎ時も必要な範囲だけを共有します。
業務取扱要領の抜粋では、担当者として有資格のキャリアコンサルタントだけでなく、キャリアコンサルティングの知見を有する者や派遣先との連絡調整を行う営業担当者も示されています。全担当者に一律の資格が必須と断定せず、最新の許可基準、要領、厚生労働省資料で要件を確認します。
法第36条第5号は、派遣元責任者の業務に教育訓練の実施と職業生活の設計に関する相談機会の確保に関する事項を含めます。派遣元責任者がすべての相談を自ら行う、または有資格の相談担当者でなければならないという条文ではありません。派遣元責任者の選任と記録の職務と、相談担当者の役割を分けます。
業務取扱要領の個人情報管理基準に沿い、個人情報を扱う職員の範囲を明確にし、収集目的の範囲で保管・使用します。相談内容への不要なアクセスを防ぎ、保管の必要性がなくなった情報を削除する手順も社内規程で定めます。
キャリア相談を運用する3ステップ

ステップ1 相談窓口と受付方法を全スタッフへ周知する
窓口・対象・受付方法を全スタッフへ周知する。窓口の名称、利用対象、受付方法、連絡先、対応の流れを一枚の案内にまとめます。入職時だけの1回で終えず、連絡先や担当体制を変更したときは案内を更新します。旧案内のリンクが残っていないかも確認してください。
周知記録には、案内の版、周知日、周知経路、対象範囲を運用上必要な範囲で残します。これは全員に相談を受けさせた記録ではなく、希望者が申込方法へ到達できる状態を説明する記録です。未閲覧者への再案内方法も自社SOPで決めます。
ステップ2 申込を受けて担当・日程・相談方法を確定する
申込ごとに担当・日程・方法を確定する。スタッフID、申込日、希望する連絡方法など日程調整に必要な情報を受付票へ記録します。管理担当者が相談担当者を割り当て、候補日、対面・電話・オンラインなどの方法、連絡状態を確定します。相談内容の詳細を受付時の必須入力にし過ぎないようにします。
割当時は、担当者の要件と対応可能な範囲を最新資料で確認します。緊急対応が必要な別種の相談をキャリア相談の通常工程だけで処理せず、自社の相談体制に沿って適切な窓口へつなぎます。確定した日程や方法は本人にも通知します。
ステップ3 相談結果とフォローを個人別に記録・保護する
相談結果・フォロー・閲覧権限をスタッフ単位で記録する。実施日、担当、相談の概要、次のフォロー、対応状態を関連付けます。これらはSOPを継続するための運用項目例であり、法第30条の2第2項が固定の記録項目や一律の保存期間を列挙しているという意味ではありません。最新資料と社内規程に基づいて記録範囲を決めます。
相談内容の本文と、受付・日程・完了状態などの管理情報は分けて閲覧範囲を設定します。派遣スタッフ定着率の改善へ活用する場合も、個別相談の内容を広く共有せず、必要なフォローだけを担当者へ渡します。閲覧や更新の履歴も確認できる状態にします。
受付表と権限付き管理を比較する

メール・表計算で相談記録が散在する問題
メールだけで申込を受けると、担当割当や日程変更が個人の受信箱へ残り、未対応か完了かを管理担当者が判断できません。共有表へ相談内容まで転記すると、受付状況を確認する人にも詳細が見えやすくなります。添付ファイルの複製で最新版も分からなくなります。
受付表を使う場合でも、スタッフID、申込日、担当、実施日、フォロー、閲覧範囲を一つの流れとして管理します。相談の概要は必要な担当者だけが扱い、集計用の状態と分けます。派遣元管理台帳の法定記載事項と、キャリア相談SOPの運用項目を同一視しないことも重要です。
| 比較項目 | メール・共有表 | スタッフ単位の権限付き管理 |
|---|---|---|
| 受付 | 受信箱ごとに分散 | スタッフIDへ関連付け |
| 担当 | 転送メールで割当 | 担当と割当日を記録 |
| 日程 | 本人と担当だけが把握 | 実施予定と状態を管理 |
| 相談内容 | 共有表に混在 | 管理情報と分離 |
| フォロー | 個人の予定表で管理 | 次回対応と担当を関連付け |
| 閲覧 | ファイル共有範囲に依存 | 役割に応じて範囲を限定 |
派遣HUBのスタッフ・担当・閲覧権限へ対応させる方法
派遣HUBのスタッフ情報とカスタム項目を使い、申込日、受付経路、担当、相談予定日、実施状態、フォロー状態をスタッフIDへ対応させる管理例を作れます。相談内容を記録するときは管理情報と分け、社内の権限設計に従って必要な担当者だけが閲覧する運用にします。
これは相談受付、担当者要件の判定、相談記録の保護を自動で完結する専用機能ではありません。担当者が最新要領と社内規程を確認し、標準のスタッフ管理、カスタム項目、監査ログへ窓口SOPを対応させる例です。設定後も権限と閲覧履歴を定期的に点検します。
よくある質問

派遣元は希望者全員にキャリアコンサルティングを行いますか?
労働者派遣法第30条の2第2項は、派遣元事業主に対し、雇用する派遣労働者の求めに応じ、その職業生活の設計に関する相談の機会の確保その他の援助を行うことを義務づけています。この相談の機会が実務上「キャリアコンサルティング」と呼ばれます。希望者を受け付けられる窓口と運用を整えます。
相談担当者は必ず有資格者でなければなりませんか?
本記事では一律に断定しません。相談担当者の要件は、執筆時点の最新の許可基準、業務取扱要領、厚生労働省資料を確認して設定します。
キャリア相談ではどの記録を残しますか?
運用記録として、申込日、受付経路、担当、相談日、相談の概要、フォロー、閲覧権限を必要な範囲で残し、相談内容を扱う担当者を限定します。
まとめ
労働者派遣法第30条の2第2項は、求めに応じ、その職業生活の設計に関する相談の機会の確保その他の援助を行うことを派遣元へ義務づけています。この相談機会は実務上「キャリアコンサルティング」と呼ばれますが、条文の文言とは区別が必要です。窓口は全スタッフへ周知し、希望者の申込を受け付けます。
受付、担当割当、相談、フォロー、個人別記録を一つのSOPへつなぎ、管理情報と相談内容の閲覧範囲を分けましょう。担当者要件、窓口の運用、記録範囲は過去の抜粋だけで決めず、最新の業務取扱要領、厚生労働省資料、自社規程を確認してください。
出典: e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(第7条、第30条の2、第36条)、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(許可基準・個人情報管理基準)。
相談窓口の運用を一枚に整理
派遣HUBの管理例を基に、キャリア相談窓口の受付・担当・記録SOPを無料相談で受け取れます。周知からフォロー、閲覧範囲までを整理できます。
関連記事
導入のご相談を承ります
求職者・クライアント管理、法定帳簿の自動生成、事業報告書の出力までこれ1つで。
月額2,980円〜/名(6名以上・税込)。


