
派遣管理はオールインワンと個別ツールどちらが得か|比較と選び方【2026年版】
派遣会社の管理業務をシステム化するとき、「勤怠も給与も請求も帳簿もまとめて1つのオールインワンSaaSで完結させるべきか、それとも勤怠ツール・給与ソフト・請求ソフトを個別に組み合わせるべきか」で迷っていませんか。安く始めたいなら個別ツールの寄せ集めが有利に見えますが、実は規模やデータの流れ方によって損得は逆転します。
この記事では、オールインワン型と個別ツール型の違いを、二重入力の手間・データ連携コスト・派遣業法の監査対応という3つの実務軸で整理します。20〜100名規模の派遣会社が、目先の月額だけでなく「人件費を含めた総コスト」でどちらが得かを判断できるように、規模別の考え方まで踏み込んで解説します。
結論:20名以上の派遣会社はオールインワンが総合的に得になりやすい
スタッフ20名前後を境に、個別ツールの寄せ集めはデータ連携と二重入力のコストが膨らみ、オールインワン型の方が総コストで有利になりやすいというのが結論です。理由は、派遣業務では勤怠・給与・請求・帳簿・契約が同じスタッフ情報を共有しており、ツールが分かれるほど同じ入力を何度も繰り返す「二重入力」と、システム間でデータを手作業で受け渡す「連携コスト」が発生するためです。
| 比較軸 | オールインワン型(例: 派遣HUB) | 個別ツール寄せ集め型 |
|---|---|---|
| 月額の見え方 | 1システムに集約 | 各ツールの合算(一見安い) |
| データ入力 | スタッフ情報を1回入力で全機能共有 | ツールごとに再入力(二重・三重入力) |
| データ連携 | 勤怠→給与→請求が自動連動 | CSV手作業・手入力で受け渡し |
| 派遣業法の帳簿・契約 | 標準搭載で一元管理 | 別途Excel等で手作業が残りやすい |
| 監査ログ | 全操作を自動追跡 | ツールごとに分散・追跡困難 |
| 向く規模 | 20〜100名規模 | スタッフ数名〜十数名の小規模 |
少人数(数名〜十数名)でツール間の手作業が苦にならないうちは個別ツールでも回りますが、スタッフが増えるほど手作業の総量が膨らみます。以下で、損得が分かれる具体的なポイントを見ていきます。

オールインワンと個別ツールの定義と違い
派遣管理における「オールインワン型」と「個別ツール寄せ集め型」は、対応する業務範囲と、データの持ち方が根本的に異なります。まず両者の定義を押さえることが、正しい比較の出発点です。
オールインワン型とは、勤怠管理・給与計算・請求管理・派遣契約管理・法定帳簿・コンプライアンス機能などを1つのシステム内で完結させ、スタッフ情報を共通のデータベースで一元管理する方式を指します。個別ツール寄せ集め型とは、勤怠ソフト・給与ソフト・請求ソフトなどを業務ごとに別々に契約し、それぞれのデータを連携または手作業で受け渡す方式を指します。
データの持ち方が損得を決める
派遣業務の特徴は、1人のスタッフの情報が勤怠→給与→請求→帳簿→契約と、すべての業務で繰り返し使われる点にあります。オールインワン型では、スタッフを1回登録すれば氏名・スキル・資格・就業先・時給といった情報を全機能が共有します。一方、個別ツール型では同じスタッフ情報を勤怠ソフト・給与ソフト・請求ソフトにそれぞれ登録する必要があり、入力箇所が増えるほど転記ミスと更新漏れのリスクが高まります。
「機能の多さ」ではなく「データの流れ」で比べる
ツール選定では機能の数に目が向きがちですが、派遣管理で重要なのはデータが業務間をどう流れるかです。勤怠で確定した就業時間が、そのまま給与計算と派遣先への請求に連動するかどうかで、月末の作業量が大きく変わります。データが分断されていると、勤怠の締め後に給与ソフトへ手入力し、さらに請求ソフトへ再入力するという作業が毎月発生します。
二重入力とデータ連携コストの実態
個別ツールの寄せ集めで最も見落とされがちなのが、月額料金には表れない「二重入力」と「データ連携」の人件費コストです。ここはオールインワン型と個別ツール型で差が最も大きく出るポイントです。
二重入力が生む隠れたコスト
派遣会社では、月末の勤怠締めから給与計算、派遣先への請求書発行までが一連の流れになっています。個別ツール型ではこの流れの各段階でデータの受け渡しが発生します。
| 業務の流れ | オールインワン型 | 個別ツール寄せ集め型 |
|---|---|---|
| 勤怠締め | システム内で確定 | 勤怠ソフトで確定 |
| 給与計算へ | 勤怠データが自動連動 | CSV出力→給与ソフトへ取込・手修正 |
| 派遣先請求へ | 勤怠から請求を自動算出 | 別途Excel等で再集計・手入力 |
| 帳簿記録 | 自動で台帳に反映 | 各データを転記して台帳作成 |
スタッフ数が増えるほど、この受け渡し作業は積み上がっていきます。1人あたり勤怠→給与→請求と複数回の転記が毎月発生するため、スタッフ数に比例して作業量とミスの発生確率が高まる構造です。
「連携できる」と「自動で流れる」は違う
個別ツールの中には「他システムと連携可能」とうたう製品もありますが、CSVの出力・取込を人が操作する半自動連携と、勤怠の確定がそのまま給与・請求に反映される完全自動連携では、月末の負担がまったく異なります。派遣HUBのようなオールインワン型では、勤怠で確定したタイムシートのデータが給与計算(社保控除・所得税控除を含む給与明細の作成)と、派遣先別の請求書発行・マージン自動算出にそのまま連動するため、転記そのものが発生しません。
派遣HUBの請求管理では、派遣先別の請求書発行・マージンの自動算出・入金消込までを勤怠データと連動して処理します。勤怠から請求までを1システムで完結させたい場合は、派遣の請求業務を効率化する方法|派遣先別請求書とマージン自動算出【2026年版】もあわせてご確認ください。

派遣業法の監査・帳簿対応で差がつく
派遣事業は労働者派遣法によって法定帳簿の作成・保管や各種コンプライアンス対応が義務づけられており、ここがオールインワン型と個別ツール型で大きく差がつく領域です。個別ツールの寄せ集めでは、法対応の部分だけがシステム化されずExcelや手作業に残りやすいという構造的な弱点があります。
法定帳簿と契約書類の一元管理
派遣元には派遣元管理台帳の作成・保管が義務づけられています(出典: 厚生労働省『労働者派遣事業関係業務取扱要領』、労働者派遣法第37条)。派遣元管理台帳は派遣終了から3年間の保管義務があり、2020〜2021年の改正後は施行規則第31条で計18項目の記載が求められます。派遣先管理台帳(派遣法第42条)と項目が異なるため、混同しないよう正確な管理が必要です。
個別ツールの寄せ集めでは、勤怠・給与・請求はシステム化できても、この台帳作成は別途Excel等で手作業になりがちです。オールインワン型の派遣HUBでは、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳・個人別記録といった法定帳簿が、登録済みのスタッフ・契約・勤怠データから自動で生成されます。
コンプライアンスと監査ログ
3年ルール(事業所単位=派遣法第40条の2、個人単位=第40条の3。2015年改正で導入。出典: e-Gov法令検索『労働者派遣法』)の抵触日管理は、手作業では見落としが起きやすい代表例です。実務では抵触日の通知を90日前・30日前・当日のタイミングで運用しますが、Excel管理では期日のアラートが出ず、気づいたら期間制限を超えていたという事態も起こり得ます。
派遣HUBでは、3年ルール(個人単位・事業所単位)やクーリング期間の自動判定、社会保険の未加入警告、年5日の有給取得義務に対する不足警告といったコンプライアンス機能を標準搭載しています。さらに、全操作を追跡する監査ログと改ざん検知機能により、誰がいつ何を変更したかを後から確認できます。個別ツール型では監査の記録がツールごとに分散し、行政の調査が入った際に証跡を横断的に示すことが難しくなります。
年5日の有給取得義務は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し2019年4月から課されています(出典: 労働基準法第39条)。派遣スタッフごとの取得状況を勤怠データと連動して管理できれば、不足者の早期把握につながります。脱Excelの全体像は中小派遣会社が派遣管理を脱Excel化する完全ガイド【2026年版】で解説しています。
契約電子化への対応
2021年1月1日施行の厚生労働省令第170号により、労働者派遣契約等の電子化が解禁されました(出典: 厚生労働省)。個別派遣契約書(派遣法第26条)、就業条件明示書(第34条)、労働条件通知書(労基法第15条)をデジタルで交付できますが、電子化に同意しないスタッフには従来どおり書面交付が必要です。オールインワン型では、これらの契約書類のデジタル交付と送付記録の一元管理を1システム内で行えるため、書類の所在が分散しません。
規模別・損得の分かれ目と選び方
オールインワンと個別ツールのどちらが得かは、スタッフ規模と業務の複雑さによって変わります。月額の安さだけで選ぶと、後から人件費という見えないコストで損をするケースがあるため、規模別に判断軸を整理します。
規模別の判断目安
| スタッフ規模 | 向きやすい方式 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 数名〜十数名 | 個別ツール/オールインワンどちらも可 | 手作業が苦にならず、法対応をExcelで回せるなら個別ツールでも可 |
| 20〜40名 | オールインワン型 | 二重入力と帳簿作成の負担が増え、集約メリットが出る主力ゾーン |
| 50〜100名 | オールインワン型 | 連携コストと監査リスクが大きく、一元管理がほぼ必須 |
派遣HUBが主に対象とするのは従業員20〜100名(主力は20〜40名)の派遣元事業者で、まさにこの「個別ツールから集約へ切り替わる」ゾーンに合わせて設計されています。
コスト比較は「総コスト」で考える
個別ツール型は各ツールの月額が安く見えますが、二重入力・連携・帳簿作成にかかる担当者の作業時間を時給換算で加えると、総コストが逆転することがあります。派遣HUBの料金は、メインLP経由で1〜5名が1名あたり月額¥4,980、6名以降は1名あたり月額¥2,980(初期費用¥30,000、いずれも税込)です。たとえば20名規模なら月額¥59,600(¥2,980×20名)で、勤怠から給与・請求・帳簿・契約・コンプライアンスまでを1システムでまかなえます。
派遣業界の専用システムには月額¥22,000〜35,000程度、買い切りで40〜60万円規模の製品もあり、派遣HUBは中小特化の価格帯として競合のおおむね1/3〜1/4に収まります。14日間の無料トライアルがあり、最低契約期間の縛りはなく、請求書払いに対応、既存データの移行も無料サポートで即対応するため、まず自社のデータで使用感を確かめてから判断できます。
失敗しない選び方の手順
ツール選定で損をしないために、次の順序で検討することをおすすめします。なぜなら、機能比較から入ると「安い個別ツール」に引っ張られ、運用後の人件費を見落としやすいためです。第一に、自社のスタッフ規模と今後の増員計画を確認します。第二に、勤怠から請求までのデータがどこで分断されるかを洗い出します。第三に、法定帳簿・3年ルール・契約電子化といった法対応を誰がどう担保するかを決めます。これらを踏まえた網羅的な比較は、中小派遣会社向け派遣管理システムの選び方・比較完全ガイド【2026年版】もあわせてご参照ください。

よくある質問
個別ツールの寄せ集めとオールインワン型はどちらが安いですか?
月額料金そのものは個別ツールの寄せ集めの方が安く見えることがあります。ただし派遣業務では勤怠・給与・請求・帳簿が同じスタッフ情報を共有するため、ツールが分かれると二重入力やデータ連携の手作業が毎月発生します。この作業時間を人件費として加えた総コストで比べると、スタッフ20名前後を境にオールインワン型の方が得になりやすいと考えられます。
オールインワン型は派遣業法の法定帳簿に対応できますか?
派遣HUBのようなオールインワン型では、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳・個人別記録といった法定帳簿を、登録済みのスタッフ・契約・勤怠データから自動で生成します。派遣元管理台帳は派遣法第37条により派遣終了から3年間の保管義務があり、改正後は計18項目の記載が求められます。個別ツールの寄せ集めでは帳簿作成がExcel等の手作業に残りやすい点が弱点です。
個別ツールでも3年ルールの管理はできますか?
勤怠や給与の個別ツールには3年ルールの抵触日を自動判定する機能がないことが多く、Excelなどでの手作業管理になりがちです。3年ルールは事業所単位(派遣法第40条の2)と個人単位(第40条の3)があり、抵触日の見落としは法令違反につながります。オールインワン型の派遣HUBでは個人単位・事業所単位の判定やクーリング期間の自動判定を標準搭載しているため、期日管理の精度を高められます。
小規模な派遣会社でもオールインワン型を導入する意味はありますか?
スタッフが数名〜十数名で手作業が苦にならず、法対応をExcelで回せている段階では、個別ツールでも運用できます。ただし増員の予定があるなら、早めにオールインワン型へ移行しておくことで、二重入力や帳簿作成の負担が増える前に体制を整えられます。派遣HUBは14日間の無料トライアルと無料のデータ移行サポートがあるため、小規模なうちから使用感を確かめられます。
既存の個別ツールからオールインワン型へ移行するのは大変ですか?
移行の手間は製品によって異なりますが、派遣HUBでは既存データの移行を無料サポートで即対応しています。スタッフ情報・派遣先情報・契約データなどをまとめて取り込めるため、個別ツールに分散していたデータを一元化できます。最低契約期間の縛りがなく14日間の無料トライアルもあるため、移行後の使用感を確かめてから本格運用に進めます。
まとめ:規模が20名を超えたらオールインワンを軸に総コストで判断する
派遣管理をオールインワン型にするか個別ツールの寄せ集めにするかは、月額料金だけでなく、二重入力・データ連携・派遣業法の監査対応にかかる人件費まで含めた総コストで判断することが重要です。スタッフ数名〜十数名の小規模なうちは個別ツールでも回りますが、20名を超えるとデータの受け渡しと帳簿作成の負担が膨らみ、オールインワン型の方が総合的に得になりやすくなります。とくに法定帳簿・3年ルール・契約電子化といった法対応は、個別ツールでは手作業に残りやすく、一元管理できるオールインワン型の優位が出やすい領域です。
(出典: 厚生労働省『労働者派遣事業関係業務取扱要領』、e-Gov法令検索『労働者派遣法』、労働基準法第39条、厚生労働省令第170号)
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